「どんな音楽聴くの?」
この質問、誰もが一度はされたことがあるんじゃないでしょうか。知り合って間もない方と話しているときとか、かなりの確率で音楽のことが話題にあがりますよね。実は僕、この手の質問が苦手なのです。
理由は簡単で、変なものばっかり聴いてるからです。まっとうな人生を歩んでる方は知るはずのない音楽を。まあ本物の音楽マニアから見れば苦笑せざるを得ないライン・アップですけど。だから「いや、マニアックなのを聴いてるから……」と答えていつも逃げてるんですが、この答え方は聞き手の好奇心を倍増させてしまうらしくて、「マニアックでもいいよ、教えて」となるともう逃げ場所がない。開き直って趣味をさらけ出すしかないわけです。

case1.
ピロウズが大好きです」
「ああ、インディーズ?」
「違う! ピロウズってのはなあ(小一時間ピロウズのキャリアを説明し終了)」
case2.
ナンバーガールをよく聴いてます」
「ああ、あの叫んでばっかりの?」
「違う! ナンバーガールってのはなあ(小一時間説教したあと終了)」

case3.
「ジャムが好き」
ジュディマリ? 俺も好きだよ〜」
「違う! ジャムってのはなあ(小一時間説教したあと終了)」

case4.
The Whoは最高だね」
「誰?(即終了)」

こんな感じになってしまうわけですよ。適当にビーズが好きだとかポルノグラフィチーだとか言えばいいんでしょうけど、自分に嘘はつけないんですよねえ。ちなみに僕はビートルズがかなり好きなんですが(リアル知人がこれ見たら失笑するな)、ビートルズといえば中期以降しか認めないというかなりの原理主義なのでこれまた話が食い違ってしまうのです。「ホワイトアルバムは神!」とか声高に叫んでも大抵の人はわかりません。悲しいことです。「アビーのB面メドレーは神!」といっても、「そうなんだ。」としか反応されません。悲しいことです。

まあごく稀に(宝くじで3000円が当たる程度の確率で)話が合う人に出会えることがあるんですけどね。それを求めて僕は今日も「ピロウズって誰?」と言われ続けるのです。