Dr.Feelgood 『殺人病棟』

mikadiri2003-10-19

ドクター・フィールグッド。快感先生。「パブ・ロック」と言われるだけあって、ビールを飲みながら暗がりの中で聴きたくなる純正ロックンロール。物凄くカッコイイ。スーツ姿で3コード、8ビート、とどめにハーモニカまで鳴らされたんじゃあこっちは踊るしかありませんよ。ニートビーツというバンドにも言えることですが、こういったロックンロールバンドには「イカス」という言葉が似合う。
このアルバムはそんなバンドの魅力をダイレクトに伝えてくれるライブ盤です。『殺人病棟』というとんでもない邦題がついてるせいで今まで敬遠していたんですが(泥酔したうえLSDでラリッたギターウルフみたいなものを想像していました)、いえいえそんな狂ってはいない、言い方は悪いですがごく普通のロックンロールバンドですよ。「Stupidity」(愚行・まぬけ)という原題がどうして「殺人病棟」になるのか僕には全くわかりません。エキサイト翻訳でもそんな訳は出てきまい(笑)。翻訳事情を知っている方がいらっしゃったら教えてください。
この作品はライブを丸ごと収録したものではなく、二本のライブが収録されているのですが(おそらくアナログではA面とB面に分かれていたはず)、だからといって臨場感がないだとかそんなことは全くなく、とても素晴らしいものになっています。一曲目、ストーンズもカバーした(と思う)「Talking about you」で始まり、ラストまでガンガン鳴り響く全13曲のロックンロール。ギターのバッキングがスカっぽく(ンチャンチャみたいなリズム)なっていたりする部分もあったり、リズムがハネていたり、観客を煽ったり。ロックンロールの魅力がアルバム一枚にグイっと濃縮されています。特にギターがいい。裏ジャケの写真に、テレキャスを持ったウィルコさんがジャンプしてるところを激写したものがあるんですが、もう惚れるしかない。黒スーツに黒白テレキャスでジャンプなんて、反則ですよ。
とにかくこのアルバムはオススメ。といってもロックンロールが好きな人はとっくにチェックしているんでしょうけどね。あ、あと、ドクターフィールグッドはパンクの原点になったとも言われているので、パンク好きな人にも是非。パンクっつっても今の日本で流行ってるような糞みたいな音楽じゃねえぞ。んなわけで今日はこの辺で。