the pillows 『PENALTY LIFE』 #10

  • M5 「昇らない太陽」

タイトルを見ただけでわかる、「さわお的鬱曲」。真夜中、人気のない森の中にひっそりと広がる池にゆらゆら漂っている葉っぱのイメージ。特に盛り上がるわけでもなく最後まで大人しい曲調ですが、これはこれでアリだと思います。「風はどこからか吹いて / キミの涙 乾かすだろう / 雨は何気なく降って / 僕の名前削るだろう」おそらく引用されることが多くなるであろうこの一節には、一人の人間としての山中さわおの性格がよくあらわれています。「キミ」に必要なのは「どこからか吹いて」くる風であって、「僕」ではない。そして「僕」は誰にも気にされず消えていく。たとえようのない無力感。……やはり彼の言葉にはまだまだ力があります。ネガティブ方面でしかその力を発揮できないのは残念ですが(笑)。名曲。