人と音楽が出会う瞬間

数日前のことになるけど、新宿のユニオン本館7階(だったかな?)のオルタナロックフロアに行ったときの事。僕はレコ屋に入るとき、いつもウォークマンを停止させる。店内放送に耳を傾けるようにしているのだ。「これは!」と思う音楽に出会えるかもしれないからだ。しかしこれまでにそういった電撃的出会いはなかった。せいぜい自分の知ってる曲がかかったときに独りほくそえむくらいだった。
しかしその日は違った。まずは新着中古のコーナーを見、特価アナログコーナーを見、掘り出し物を探す。しかしどうしたことか、CDの背表紙(というのか?)を見ても、アナログのジャケを見ても、全く食指が動かない。中には前々から欲しいと思っていたものもあったのに、だ。
何故か。しばらくしてから自覚した。店内放送で流されている音楽がカッコ良すぎてそれに気を取られていたからだ。ああ、このリフいいな。おお、このブレイク、僕のツボを抑えてる。ギターの音色も最高だ。
何のバンドか確認したかった。カウンター周辺に「NOW PLAYING」の文字を探したが、見つからない。僕は極度の引っ込み思案&暗い人間なので、いつもならここで諦めてしまうのだが、店内放送はますますカッコ良くなっていく。うわ、もう耐えられない。僕は聴いた。「今かかってるのって、なんですか?」


ストロークスっていいよね、の12文字を極限まで回りくどく表現するとこうなります。いやー、ストロークス聴いたことなかったんだけど、こういうバンドだったのね。いつか絶対欲しい。いや、その場で買おうかと思ったんですが、新譜だから中古が出ているわけも無く、財布に新品を買う金があるわけでもなく、泣く泣く断念し、何故かMUDHONEYのアルバムを800円出して買っていたのです。人間ってよくわからない生き物ですよね。いや、マッドハニーもカッコイイですよ?