PAUL McCARTNEY AND THE WINGS 『BAND ON THE RUN』(ASIN:B00000I7KL)

ビートルズのメンバーで一番苦手なのは誰だ、と聞かれたら「ポール・マッカートニーだ」と即答するくらいの僕なんですが、やはり彼のメロディー・センスはずば抜けているなあとこのアルバムを聴きながら再認識しました。不自然っぽい展開が自然に聴こえるのは本当に凄いと思う。ビートルズ時代で言えば「フール・オン・ザ・ヒル」とか「ヒア・ゼア・アンド・エブリウェア」とかね。長調が突然短調に移行するという無茶苦茶な展開なのにまったく違和感が無い。ただポールはそれを頭で考えながらやっているような気がして好きになれないだけなんですよね。当然実際は彼がどうやって曲作りをやっているかなんて知らないわけで、単なる思い込みなんですけれども。
タイトル曲「バンド・オン・ザ・ラン」はソングライターとしてのポールの才能が圧縮された一曲。不思議なメロディーが癖になりますね。「ママ〜」と上がるところとか、そこはかとなくクイーン。もちろんポールの方が先なんですがね。ビートルズ解散後の活動では地味な印象のあるポールですが(これも僕の主観。あながち間違ってはいないと思う)、このアルバムは文句なしの名盤。ジャケットはダサイが名盤。100円で売るのは間違っているような気がする。