PIXIES 『 Doolittle 』

mikadiri2003-12-18

ピクシーズ強化週間。今度はセカンドアルバムの『ドリトル』です。ピクシーズファンの間では「最高傑作」という呼び名が高い作品。僕が一番好きなのはファーストのほうですが、これを最高傑作と呼ぶことに異論はありません。ベストアルバム『Death to the pixies』に、このアルバムから6曲(17曲中)採用されていることからも、代表曲揃いであることがわかります。
なんといってもトップを飾る「Debaser」。コレでノックアウトされてしまう人は多いのではないでしょうか。丸っこい形の音をした太いベースにジャキジャキギターが絡むイントロは否応無しにリスナーのテンションを上げますね。「俺はなりたい、価値の無いもの(debaser)に」とひたすら叫ぶデブ。最大限に気持ち悪いですが、最大限にカッコよくもあります。
続く「Tame」も絶叫爆走系。「静」と「動」を上手く使い分けた、グランジの王道みたいな曲です。「tame」というのは「つまらない」とか「面白みのない」という意味なのですが、サビで「テーーーーーーーーーイム!!!」と叫ばれてもこちらはどうしていいかわからぬ(笑)。途中から「トゥェエエエエーーーーーイム!」みたいになっちゃって、もう原型をとどめていないですし。相当いらついてらっしゃる。これまた最大限に気持ち悪いですが、最大限にカッコよくもあります。
そして超名曲「Wave of Mutilation」へ。イントロだけでドンブリ飯5杯はいける。ボーカルは先程の「Tame」で疲れたのか知りませんが随分クールに。普通に歌っても上手いところがブラック・フランシスの凄いところ。ライブではスローなアレンジで演奏されるこの曲。そのバージョンも相当カッコイイです。曲そのものがきちんとしているってことでしょうね。
そして4曲目――――って、このままでは全曲紹介になってしまう。それほど名曲が揃ったアルバムです。捨て曲も当然無し。4曲め以降で注目すべきは、やはり「Here comes your man」。美メロ、美コーラス(キムの存在が大きい)、美ギターフレーズ(聴いてるとついつい弾いてしまう)の三拍子揃った極上ポップ・ソング。我らがザ・ピロウズ山中さわおも「Back seat dog」という曲でコード進行その他をパクるほど。パクるというと聞こえが悪いですが、さわお自身も公言してるので、オマージュということで。
あとジャケのネタ元になっている「Monkey gone to heaven」でしょうか。これまた超名曲。イントロのギターがイカしてます。友人にピクシーズを聴かせたところ、「この曲だけ知ってる」と言われました。有名なんでしょうか。


さ、ここらで止めておかないと際限なく書いてしまいそうです。昨日は「ファーストのほうがオススメだよ」と書きましたが、やっぱりこの『ドリトル』もオススメ。つーか二枚とも買ったほうがいい。「僕の好きな音楽はロックだ」と思ってる人なら、ピクシーズは聴いておくべきです。聴かずに死ぬと損しますよ、割とマジで。マイブラニルヴァーナソニックユースと並び称されるべきロックバンドです。

ちなみにこのアルバムのジャケ、今年の年賀状にどうですか(笑)。申年ですし。「Monkey gone to heaven」なのが物凄く縁起悪いですが、ピクシーズ知ってる友達にならギャグで送れる。え、ピクシーズ知ってる友達なんていないって? はい、僕もです。