「HAPPY X'MAS(WAR IS OVER)」という曲

mikadiri2003-12-23

今日は別にアルバム評ってわけじゃありません。ベストアルバムについてつらつら書いたって意味がありませんし。僕が書きたいのは、このアルバムに収められている「HAPPY X'MAS(WAR IS OVER)」のことなのです。
バイト先のセブンイレブンでもそうなんですが、日本中至るところで、クリスマスの時期になるとこの曲が流れます。なるほど、美メロに、サビの盛り上がりに、ジョン・レノンというネームバリュー。クリスマスのハッピー浮かれ気分を煽るには良い選曲かもしれない。
しかし僕はこの曲がかかるたびに顔をしかめてしまうのです。決して嫌いなわけじゃありません。むしろ大好きな曲です。一つだけ言いたいのは、この曲はクリスマスソングじゃねえぞ、ってなことなのです。
もちろんこれは完全に僕の主観でありますので笑い飛ばしていただいて結構です。しかし、「War is over,if you want it」という歌詞からもわかるように、これはもともと反戦の意図で作られたものであって、「クリスマス」というのは平和の象徴として使われたに過ぎない、と思うのです(ジョンは『はじめてヨーコとポップソングを作ったよ』と言っていたらしいですが)。だから能天気に「わーいクリスマス」といった感じでこの曲が使われると、どうしても違和感を拭いきれないのですよね。
先ごろジョン・レノンがソロ時代に発表したプロモーションビデオを纏めたDVDがリリースされましたが、興味のある方は一回見てみてください。「HAPPY X'MAS」のPVを。クリスマスの情景など一切なく、映し出されるのは戦争や紛争やテロの被害にあって亡くなった人の死体、死体、死体。どこの難民かは知りませんが、ガリガリにやせ細った子供たちの視線、視線、視線。そのバックで流れる「メリークリスマス、そしてハッピー・ニュー・イヤー、来年こそは怖いことのない良い年になるといいね」という大合唱。恥ずかしながら僕は泣いてしまいました。
こういうことがありましたので、僕は日本の街中で垂れ流しにされる「HAPPY X'MAS」にどうも馴染めないのです。脳裏に死体や戦車や痩身の子供たちが浮かんできてしまい、たまらなくブルーになります。
音楽を純粋に楽しむことにケチをつける気は全くないのですが、僕のような考え方をする人もごく少数ながら存在するのです。本当なら、あの曲が流れなくなるような世界になるのが一番なんでしょうけど、それはガキの妄想に過ぎませんね。長々とすいませんでした。