ハナレグミ『 日々のあわ 』

永積タカシソロ・プロジェクトハナレグミ」のセカンドアルバム。アコースティックな音色の楽器と、伸びやかな歌声がまったりと響きあう好盤です。紙ジャケット使用だったので少し驚きました(紙ジャケはあまり好きではないのです。デジパック仕様も。どうせならアナログで出せ、と言いたい)。
前作より少しBPMが落ち着いた感じがしますね。もちろん「感じ」であって、アップテンポな曲もありますけど。あと使用楽器の幅が少し広がっているような気がします。トランペットやトロンボーンといった金管楽器、それにスチール・ギターなど。ハナレグミの音楽性に暖かみがいっそう増しました。ゲストミュージシャンも相変わらず豪華。クラムボン原田郁子、ミトはもちろん、ASA-CHANGがパーカッションで参加していることにびっくりしました。
なによりハナレグミ最大の魅力、永積タカシの歌声は健在。この声、大好きです。存在感がすごい。彼が歌うだけで、世界の色が変わっていくような錯覚すら起こしてしまいます。高音部の伸びが、ほんとに綺麗ですね。ファンク・バンドをやっていたとは思えない。いや、ファンクバンドだからこそこの歌声があるのかな。よくわからないですけど、とにかく優しく、それでいて力のあるボーカルです。
ちなみに昨日本サイト(pillows&prayers)にアップした『真夜中の演奏会』という文章は、このアルバムに収録されている「嘆キっス」という曲にインスピレーションをうけて書きました。ハナレグミファンからはお叱りの声をいただきそうな文章ですが(笑)、アホなものが書けた、と自負しています。
まだまだ寒い日々は続きますけど、ハナレグミを聴いていると一足二足早く春が来てしまったような気がしますね。人の寝静まった夜にひっそりと聴こえる春の足音、っていうんでしょうか。僕の勝手なイメージですけどね。なんとなくハナレグミは夜に聴くのが合っていると思うのです。