刺激が欲しくてたまらんの

人が音楽に求めるもの、ってのは色々あると思います。癒しを求める人、ビートを求める人、自己投影する人、歌声に聞き惚れたりする人。様々です。当たり前ですよね。地球上に60億人のリスナーがいて、60億通りのにポリシーってものがある。
僕は、音楽に刺激を求めます。ギャンギャンにギターが鳴ってればいい、なんていう単純なことではなく、僕を新鮮な気持ちにさせてほしい。音楽であれば、ジャンルとかは割とどうでもよいのです。
で、その「刺激」を一番僕に与えてくれるのがロックなんですよね。ジャンルとかどうでもいいとか言っといてあれですけども、やはりロックが僕に一番「近い」音楽だと思っています。ソウルには刺激より先に暖かさを感じてしまうし、レゲエやスカといった民族音楽を聴くと楽しさが先に来るし、ブルースは渋さが一番で、ヒップホップはパブリックエネミーの衣装が思い浮かんでしまってまともに聴けない(冗談ですよ)。で、残りはロックってことになるわけです。あ、ジャズも刺激的だった。マイルスの高速ジャズとか刺激的過ぎてアタマおかしくなるしなあ。ま、ここまで話を進めてしまったので、ジャズは置いておくってことで(笑)。
バンドをやってるからなのかもしれませんけど、僕は音楽を聴き込む過程で、一つ一つの音に耳を傾けてしまいます。右のチャンネルのリードギター、左に寄ったリズム・ギター、まんなからへんで鳴ってるドラムとベース。それぞれの音を分けて聴くと、最初に受けた印象とはまた違ったふうに聴こえてきて実に刺激的。スネアの響きひとつとっても、いろいろ違うものです。そういう細かい音に対して最も意識的なのが、ロックというジャンルではないかなあ、と思います。あくまで、ごく個人的に。


なぜいきなりそんなわけのわからないことを言い出すのかというと、さっき久しぶりにTHE DISMEMBERMENT PLANのベストを聴いて、思いっきり脳細胞を揺さぶられたからなのです(画像はベストアルバムではなく、『!』というアルバム。このタイトル、僕の言いたいことを全て表わしているような)。まったく、ゾクゾクと気持ちいいったらありゃしない。本当にこのバンドは変態です。しかし変態だからこそ刺激的なのです。悲しいことに、そういう「変態」はポピュラリティを獲得することがあまりないのですが(ディスメンは解散しちゃいましたし)、いつの日か刺激的な変態ミュージックが日本中に溢れてきたらなあ、と思います。いや、しかしそれも気持ち悪いかな。まあ今の日本の音楽シーン(『シーン』なんて言葉使いたくないが)よりは、好ましい状態なんじゃないでしょうか。


追記・まるで今の日本の音楽がつまんないような書き方しましたけど、邦楽にも面白いのはたくさんあります。でもやっぱり表舞台に出てくる人たちはあまりいないんですよね。そんな中でくるりは、バンドの変態性を維持しながらもファンを増やしていますね。こんなバンドやグループがたくさん出てくれば、もっと面白いなあ。つーかZAZEN BOYSオリコンで一位を取るようになったらいいのになあ。イギリスでいうツェッペリンのような変態化け物王様バンドが出てこないかなあ。