芥川賞

親父(下の日記に登場している『オッサン』)が文藝春秋を買ってきたんです。芥川賞をとった作品が全文掲載されている号ね。で、やっぱり少し気になるから読んでみるわけですよ。二ページ読んで、閉じました。
なんだあれは。いくら芥川賞が新人の登竜門といったってあれはないだろう。稚拙すぎる。そりゃあ全文読めばいろいろ違ってくるんだろうけど、そんなに暇人じゃありませんよ、さすがの僕でも。高校生が授業中にテキトーに書きなぐったような文字の羅列。あれが評価されているのか、と頭が痛くなりました。『蛇にピアス』とやらは題材だけでしょう、目を引くのは。いかにも村上龍が好みそうな感じの、ちょっぴりアングラテイストの自傷系テキスト。『蹴りたい背中』は『蛇〜』以上に論外だ、と思う。軽くて読みやすければいいってもんじゃない。大学の小説の演習だってあんなレベルのものは出てこない。両者とも、とにかく文章が下手糞だ。僕が時代遅れなだけかもしれないけど、認めたくないなあ。既存のものに縛られず、新しい文学の形を模索していくのはとてもいいことだと思う。思うけど、彼女らに芥川賞を与えるのはやはり間違いなのではないか。彼女らのためにもならない。
古井由吉だけが選考委員の中ではまともなことを言っていて、少し安心した。「共通のテーマを題材にした課題文を読んでいる気分になった。」と、このようなことを彼は選評に書いていたが、まさにその通りだ。「若者のみずみずしい感性」と言葉にすればもっともらしいけど、そこにオリジナリティがあるかないかを他の選考委員にはもう少し考えてほしかった。一応「純文学」の賞なんだから、話題性とか出版不況とか気にせずに「該当作なし」で良かったのではないか。

ま、偉そうにほざいてみましたが、二ページ読んだだけなんで説得力皆無ですな。