ZAZEN BOYS 『 半透明少女関係 』

元NUBER GIRLの向井秀徳率いる変態バンド、ZAZEN BOYS。1月に出たアルバムに続き、早くも新しい音源が届きました。その名も『半透明少女関係』。ライブ会場もしくは通信販売限定ということで、僕はライブ会場まで買いに行きましたよ。紙ジャケ、といっていいのかどうかわかりませんが一応紙ジャケにCDが裸でぶっこんであるという非常に簡素な作り。いきなりCDにベッタリと指紋をつけてしまったんですがどうしてくれますか。どうにもならんですか。
さて、曲の感想をば。まずM-1、タイトル曲である「半透明少女関係」。これ、ヤバイです。最高です。チャッキチャキのテレキャス音丸出しなファンキー・ギター・リフで始まる曲は、とにかく踊れる踊れる。間違いなくZAZEN BOYS史上一番の名曲でありましょう。いや、言い過ぎか。しかしそう言いきっていいほど、僕はハマっております。いつの間にやらお祭りビートに移行してたりして、気持ちよい。ZAZEN BOYSにおけるリズムトランスフォームド状態とでもいうんでしょうか、「USODARAKE」や「IKASAMA LOVE」や「YURETA YURETA YURETA」でパっとビートが変わるところ、大好きですなあ。たまらんです。
M-2。「TANUKI」。残念ながらあんまり印象に残っていないんです。これの前後が強烈過ぎてて。ZAZEN BOYSというよりナンバガ風味ですね、この曲は。普通にカッコよい。そういえば先週のライブで向井が「ブォオオオオオオオイ！」っていう掛け声みたいなもんをよく発してたんですが、これは何なんでしょうか。「BOY」の変形なんでしょうか。やっぱりヒップホップ系なのかな。
M-3「六階の少女」。もともとhalという女性シンガーに向井が提供した曲。その時は54-71のメンバーやアヒト・イナザワとともにバックで演奏を担当し、それが「ZAZEN BOYS」が世に出た一番最初ですね。だからこの曲はセルフ・カバーと言えなくもありません。これも、ナンバガに未練を持っている方には結構響いちゃうんじゃないでしょうか。向井お得意の「少女もの」歌詞に、あの頃を髣髴とさせるメロディーやドラムス。でもこれはナンバガではなく座禅なのです。この曲では、いつもは目立たない（ライブだと変態的な腰の動きで目立ちまくっているが）吉兼さんがいい仕事してます。いや、他の曲でもいい仕事してるんですが、「六階の少女」ではわかりやすいキャッチーなフレーズを弾いてるんですよね。そこらへんも注目。
M-4「Delayd Brain」。ついにナンバガ時代の曲を正式音源にしちまったァー！　と思いきや、『NUM-HEAVYMETALLIC』に収録された同名の曲とは歌詞が同じだけで全く別物になってます。レゲエ・バージョンとでもいうんでしょうか。リバーブのききまくったリズムギターがカッコイイ。途中で「ZAZENBEATS KEMONOSTYLE」の歌詞が挿入されてたりして、それが違和感なくキッチリハマっていて不思議。「こんがらがってるインマイブレイン」「フラストレイションインマイブラッド」ってやる気なくコーラスが入るんですが、これは笑うところなんですかね（笑）。微妙にハモっていたりして。ZAZEN BOYSの遊び心満載な曲です。

全体的にメロディアスですね。先に出たアルバムを聴いて「この念仏はなんじゃい」と思ってしまった方も、このシングルは受け入れられるんじゃないかってくらいメロディアス。短いスパンでわざわざ別個の作品としてリリースしたのは、その辺が理由じゃないのかな、と思います。是非是非、皆さんに聴いて欲しい。「ナンバガは好きだけどZAZENはちょっと…」って思っている人にこそ聴いて欲しい。向井はまだまだ「歌心」を忘れてませんよ。限定発売なんてせずにちゃんとレコード屋に並べて欲しいなあ。