ゴキブリ&プレイヤーズ

小さな物音にビクビクする生活が戻ってきたのです。わたくしの髪の毛は今現在ヒッピーの卵くらいの長さに伸びているわけですが、身じろぎした拍子にその髪が首筋をサっっと撫でまして、これは冗談でもなんでもないんですが、わたくしは飛びました。「ヒャイ!」みたいな声をあげ、己の首筋にビンタをかましつつ、後方へ飛びました。鳥になりてえとか考えた末、何をトチ狂ったかロウソクの羽根を装備し、見事に自由落下を楽しみ落命した人が昔々どこかにいたらしいですが、その人に教えてあげたいです。首筋に奴を張りつければ飛べますよ、と。ガムテープで頑丈に貼り付けてしまえば、まさに永久機関ですよ。奴は死にませんからね。そう教えてあげれば、その空を飛びたくて自由落下しちゃう人は喜んで僕の家から奴らを連れ去ってくれるでしょう。ああ、とにかく眠れません。眠りたくありません。お金がないのに、明日は予備のゴキジェット・プロを買いにいかねばなりません。と、いうかこの時期にこんな頻繁に(といっても二週間にいっぺんですが)邂逅していたら、いったい来たる夏季はどういう状態になるんですか? 考えたくもない。ただ祈るだけです。