日記

ふと財布の中身を見てみたのですけれども、いつの間にか僕の漱石さんが家出をしてしまっていたようで、福沢さんや新渡戸さんは当然いらっしゃるわけもなく、つまり今の僕には100円均一の自動販売機で缶ジュースを買うくらいの財力しか残っていないわけで、俗に言うジリ貧なわけで、「ジリ」ってなんだろうと考えてみるわけで、ああそうか、「ミカジリ貧乏」の略かぁガハハハなんて笑っていたら腹が物凄い重低音のウーハーサウンドを発しました。たまーにこういう餓死寸前の状態に遭遇するんですよね。当然口座にお金は残っているんですから下ろせばいいんですけど、「どうせ夜にバイトで出かけるんだからそれまでデレーっとしていたいなあ」なんて思ったりして、「どうせ引きこもりなんだしー」と自嘲気味に陰毛を梳いたりしてみたりして、待てよ、そういえば寝ぼけ状態で友人から電話をもらったような気がする、「寝ムー」みたいなことを言って遊びのお誘いを断ったような気がする、いかんいかん、せっかく誘ってもらったというのに、こんなことでは本当に孤独主義者になってしまうぞ。そう一念発起した僕はジーンズをはき、意気揚々と買い物へ出かけたんですが、開けたドアのすぐそばに、「梅雨〜夏にかけてとても人懐っこく室内にまで入り込んできて人間とスキンシップをとりたがる虫」がいらっしゃいまして、当然僕は目にも止まらぬ速さでドアを閉めまして、足を挟みまして、サンダル履きでしたので素足でして、「アpツ」と悲鳴をあげまして、ただいまパソコンに向かいながら足を冷やしている最中でございます。外に出れねえ。