羊男病再々発

僕は村上春樹という小説家のことが大好きで、「Pillows&Prayers」というサイトをちょっと読んでいただければわかると思うんですが彼の影響を受けまくっており(さりげなく本サイト宣伝)、とにかく夏に食べるしょうがたっぷりねぎたっぷり濃い口醤油ぶっかけ冷奴と同じくらい大好きなんです。『風の歌を聴け』という彼の処女作が長編では一番読み込んでいると思います。で昨日また読んだんですけど、これを読んでしまうと後に続く「鼠・羊男シリーズ」を全て読み返したくなってしまい、スワー! と『1973年のピンボール』を読み返し、ただいま『羊をめぐる冒険』の上巻の半分あたりまで辿りつきました。止まらない。
大学では村上春樹のことばかり研究して引きこもってましたが、僕が通っていた大学というのがまああのスーパーフリーな大学なわけで、そこの文学部というのは村上春樹の出身学部なわけで、となるとそんな学部で「村上春樹好きだよ!」って声高に唱えるのはなかなか痛々しいものがあるわけで、あまり他人と「村上春樹論」を戦わせたことがないのですよね。「論」っつったって僕はそんなに難しいことがわかりませんから、「この表現イイ!」とか、「直子と緑、どっちだ!」とか(僕は緑派)、「ユキたんハァハァ」とか(駄目人間)、そんなくだらないことしか言えないわけです。それでも自分なりの村上春樹観というのは持っていて、それも確固たるものとして築いてしまっている。ですから“まっとうに”村上春樹のことを研究している人とは当然話が合いませんし、“それなりに”村上春樹を読んでいる人ともなんとなく意見が食い違ってしまう。本当に僕はコミュニケーションというものを最初から拒絶してしまっているのだなあ、とふと思ったので、こんな長文を書きなぐってみました。あと最後に蛇足交じりに付け加えておくと、僕は村上春樹の書く文章はこの上なく好きですが、村上春樹という人間はあまり好きではありません。こういうヒネクレものっぷりがまた他人との距離を遠ざけるのだなあ、とこれまたふと思った。