西尾維新先生の『サイコロジカル(上)(下)』『ヒトクイマジカル』『きみとぼくの壊れた世界』読了。エンターテイメントと割り切って読めばとても面白い読み物ですね。うん。いままで「一日で二冊読んだ」とか「五時間で読み終わった」とかいうハナシを人様の読書日記なんかで見かけるたび、僕は「嘘つけ、んな早く小説が読めるわけねえだろ」とか思ってたんですが、その反面、ただ単に自分が痛風になったゾウガメみたいにトロいだけなのではないか、と焦ったりして(なにせ『罪と罰』を読みきるのに一ヶ月かかってしまうのですから)、皆さんの速読技術に半ば憧れに似た感情を抱いていたのです。しかしなんということはない、こういう小説ならば一日三冊はいけますよ。いや、文学と比べてとかなんとかそういう話じゃなくてですね、単純に先が気になるんですよ。純粋に読み物としての魅力というんですか。ひとくちに小説とはいってもやはり別物ですね。俗に言う大衆小説というものは物語を楽しむもので、俗に言う純文学は文章表現による芸術ってことで、僕は納得してます。住み分け。そのどちらをも両立した小説が理想なんでしょうけど、そんなもんはそうそう出会えるものじゃありませんしね。