岡崎律子『life is lovely.』

mikadiri2004-08-17

今年の5月に44歳という若さで亡くなった岡崎律子さんの(今のところ)最後の作品。バイト先にこの人を大好きでしょうがない人がいて、「いいから聴きやがれ無職!」みたいな感じで貸していただいたんですけど、これがなかなかよろしいアルバムで、物凄い遅ればせながら「惜しい人を亡くしてしまったのだなあ」と思いました。「癒し系」と言ってしまえば簡単なんですが、それだけでは収まらない魅力が彼女のつくる曲にはありますね。人間のいい面も悪い面もまとめて包み込んでやるぜ、というとてつもないスケールの愛情が感じられる音楽です。岡崎律子さんが故人ということもあって3割増しで良く聴こえてるっていう噂もありますけれど、この際そんなことは無視。いいと思ったものはいいのです。
M-4「Magie」はピアノ・ベース・ドラムを基としたもろジャズな曲調で、そこに岡崎さんの40代とは思えない可愛らしい声や伸びのあるフルートが絡んでくる佳曲。胡弓の響きが美しいM-6「守りたい人がいて」でも透明感のある岡崎さんの声がキモになってますね。ハーモニーが綺麗なアコースティックナンバー。M-10「lyric」はピアノにスポットをあてたインスト。個人的にこのアルバムのハイライトです。とにかくメロディーラインが素晴らしく、"唄っている"感じがします。透き通ってる。それでいて力強い。
いや、いいアルバムでした。アニメ畑で活動することが多いせいか一般人に敬遠される傾向にある、なんと勿体ないことだ、と僕にこのアルバムを貸してくださったアニメ畑の御仁はおっしゃってましたが、アルバムを聴いた後だと僕もその意見に同調しますね。とはいえ敬遠もクソもなく、普通の人々は普通に知る機会がないだけって感じもしますけど、このサイトを読んでくださったあなた方はもう岡崎律子さんのことを知ることができたのですから、機会があればこのアルバムを手にとってみるとよいのではないでしょうか。