週刊少年ジャンプ 39号

久しぶりに、というか10年ぶりくらいにジャンプを買いました。何故って? 愚問ですね、そんなの今週号の表紙をチラリと見ただけでもわかるではないですか。そう、今週は表紙が武装錬金なのであります。ええ、とても色合いが悪く、売り上げに若干影響が出そうです。パピヨンが無駄に乱舞しているし、背中に人生をな人たちも垣間見えるし。ジャンプ編集部が武装錬金をどういった方向で売り出そうとしているのかがよくわかる、とても素敵な表紙です。この号を持っていれば、将来僕に孫が出来たとき、「じいちゃんが若い頃はな、こういう痛快な漫画がジャンプの表紙を飾っとったのじゃよ」って言い聞かせることができますね。なんて素敵なんだ。んで孫に「うるせえよジジイ、入れ歯洗えよ」なんて言われて。ああ麗しきコミュニケーション・ブレイクダウン。

武装錬金
 というわけで巻頭カラーですよ。前回に続いて武藤カズキキャプテン・ブラボーの戦い。カズキの武装錬金が変形する、ってことで微妙に期待してたんですけど、まあまあ順当な進化の仕方で、もうちょっとぶっちゃければいいのに和月のいけずぅ、などと気持ち悪い口調で呟いてみた。ヴィクターの武装錬金もわりあいコンパクトでしたし、黒い核金の人たちの武装錬金はコンパクトで使いやすい形態になることが多いのでしょうか。といってもサンプルはたったの二つですけど。
 ブラボーの武装錬金アナザー・タイプがここでお披露目になったわけですが、「うむ、キャプテンだ」としか言いようのないフォルムで、また和月が趣味的なデザインに走ったなあという印象です。ムーンさんを瞬殺した力がついに明らかになるってことで、ここは武藤カズキも大人しく瞬殺されるべきだと思います。どうせ死なないんだし。「お前って、どうやったら死ぬんだ?」とブラボーに言わせるくらいの生命力でしょうし。もしかしたら立て続けに二回死ぬと駄目なんでしょうかね? その辺は神のみぞ知るところですね。
 カズキが意識的にヴィクター化できてしまったのは少し興ざめですね。将来的には状態を自由に操れるようにはなると思ってましたけど、はじめのうちはやはり黒い核金に振り回される展開が良かったような気がします。ちょっと急ぎすぎですね、和月先生は。とりあえず打ち切りの危機は免れたのだから、もう少し落ち着いてみてもいいのでは。
 さて人気投票。編集部が選択した(かどうかは知らないけれど)38人のキャラから選び、一人だけに投票するという制度です。王道キャラはもちろんあり、ネタ用キャラもきちんとおさえられており、なかなかに迷いますね。三人まで投票できるのならばネタにも走れるんですが、一人となると、ねえ? 締め切りぎりぎりまで迷ってそうな予感がします。金城か陣内かどっちかで。
デスノート
ようやく主人公であるところの夜神父がスパークしてきました。ここ最近のデスノートは高クオリティの心理サスペンスであることはもちろんのこと、一級品のギャグ漫画としても相当楽しめます。もちろん今週のMVPは夜神父です。監禁五日目における彼のたたずまい、これは危険なほど笑いの香りを漂わせており、僕は吹きました。真顔に弱い僕です。リュークの倒立にも笑った。ホント夜神父とリュークの存在がデスノートという作品をかろうじて少年漫画たらしめてますよ。生命線。それはそうとどうなるデスノート。夜神息子が何の保険もなくノートを手放すとも思えないんですが、今週だけ見るともう終わっちゃってますよね、この漫画。「月編・完」になっちゃいそうな勢い。そりゃ無表情一代男のLも顔をしかめるってもんですよ。「何が何だかわからない」ですよ。夜神妹が第三のキラになってたりしたら面白いんですけど、さすがにそんなことになったら夜神父の頭髪が全て白く染まり精神にも異常をきたして「ストーカーさ―――ん ずっと座ってるだけのビデオじゃ売れないよ 着替え持ってきてくれたんだしいろいろ着替えてポーズとってもいいからさ――――」とかほざきかねないので有り得ませんね。とにかくどうなるデスノート。これまた来週が楽しみです。
銀魂
「でっ…でっでで出すぺらァどォォォ!」で吹いた。うん、やはり銀魂はこんな感じでギャグに徹したほうが面白いと思います。『今日から俺は!』という漫画と同じですね。真面目フェイズよりギャグのほうがテンポも内容もいい、という。まあ『今日から俺は!』は真面目シーンもかなりイケるんですが、それはまた別の話ですね。
ONE PIECE
沁みますねえ。僕はあまりこの漫画を本気出して読んでいないのですけど、それでもジーンときたのだからファンの皆様は相当なことになっているのではないでしょうか? 積み重ねてきたものの威力を感じました。普段はワンピースの涙シーンを見るたびに「いや泣きすぎだから」とか思ってしまう冷血人間の僕ですが、今回は泣きすぎていいのではないかと思いました。
切法師(読みきり)
ジャンプ金未来杯にエントリーした読みきり。普通に読めたので、作者の人はなかなか力をお持ちなのではないかと思います。でも普通を越える点は見つかりませんでした。あくまで普通。かなり各駅に停まる漫画であるといえますね。貧乳と普通乳を並べてさらしに巻いてみるという試みは多少評価してあげたいのですけど、いかんせん女の子がアレですから、やっぱり各駅停車ですね。
アイシールド21
「スポーツ漫画年齢と風貌が一致してませんよ選手権」がもし開催されたのなら、ムサシさんはかなりいいところまで食い込むでしょうね。『ドッヂ弾平』が誇る小学生集団といい勝負だと思います。それはそうと最近、作者が「まもり姐さんに萌え萌え作戦」を影で実施してるように思えてならないのですが、まあその真偽はともかくとして、スーツ&眼鏡は反則だと思いました。
ピューと吹く! ジャガー
生々しい笑いですね。これでもかという漫画的キャラクターである浜渡浩満さんと、漫画的キャラクターであるところをやめたビリーさん、両者のギャップ。ビリーさんの彼女が全く美化されず、全く漫画的でなく、至って普通なところがまた現実的。