『のだめカンタービレ』5、6、7巻購入の辞

　　

十月も終盤にさしかかり、めっきり秋めき心はときめき、草むらの横の道を通るとき「あっ、あたしったら、キリギリス、踏んじゃった」「もう、お馬鹿さんねえ。踏むのはクツワ虫だけにしときなさいって、あれほど言ったのに」「クツだけに、てか！」「てか！」「HAHAHAHAHA」なんていうムーディーな会話が貴族の間で交わされそうな今日この頃、皆さんいかがお過ごしですか。僕はといえばですね、持ち物は持ち主に似る、とでもいうのでしょうか、マイ財布が天邪鬼なヤツでねえ、人々はそろそろ冬物を押入れから出して厚着の準備を始めているというのに、ここ三日の散財でめっきり痩せて、スマートになっちゃいましたよ。もう渋谷とか原宿とか歩いてたら「君、ちょっといい？　僕らファッション誌の者なんだけど、写真撮らせてもらえるかな。スマートだねえ、君ぃ」とか言われちゃって「埼玉県　偽ヴィトンクン（25)」とかとにかくそんな感じで雑誌デビューを果たしちゃうくらい僕の財布はスマートなんですよ。困っちゃいますよね。ガス代も電気代も払っていないというのにねえ。まあ少しくらい延滞して催促されてもね、「エンタイトルツーベース！」とか言って白目むけば許してもらえるだろうし、心配はしていません。信じてますから。いつも僕にそっけない態度をとってたって、ガス代と電気代が本当は優しいヤツだってこと、わかってる。わかってるんだ。