クラムボン『ドラマチック』

ドラマチック


2001年に発表されたクラムボンの3rdアルバムを今さら購入しまして、そして今さらビックラこきました。ベストアルバムを持っているせいで、ついついオリジナルアルバムへ手を伸ばすのを躊躇していたんですが、もう馬鹿。僕馬鹿。「サラウンド」「残暑」といったシングル曲は、このアルバムの流れで聴かなきゃ意味がないというくらい、『ドラマチック』という作品に、“ドラマチック”に溶け込んでいます。これはもうコンセプトアルバムといってもいいのではないでしょうか。「ロマンチック」に始まり、「ドラマチック」に終わる。ピアノ、ベース、ドラムという3ピースの枠をぶち破り、ストリングスやホーンを多用した音作りは、安易といわれればそうかもしれませんが、個人的には大成功だと思います。M-1「ロマンチック」から、M-4「心象21」までの流れでグッと掴まれ、そこからはもうただただ圧巻ですよ。特に後半、M-9「便箋歌」〜M-10「ララバイサラバイ」〜M-11「ドラマチック」の怒涛のラッシュは、なんじゃいこりゃ、ビートルズの『アビーロード』のB面ですか、と言いたくなってしまうくらいの高揚感があります。クラムボンのことをちょっと敬遠してたロックファンにこそ聴いてほしい傑作。