the pillows『GOOD DREAMS』#1

とりあえず第一印象を書きなぐる。これはあくまで第一印象であり、今後ころころと、コロコロコミックに「コロコロはうちの登録商標だぞ!」と指摘されるくらいころころと変わっていきますので、その辺ご了承ください。まず思ったのは雰囲気ですね。全体的に、音とかフレーズとかが今までのピロウズとはちょいとばかし違って、乱暴に言ってしまえばUSインディー丸出しというか、ブリーダーズ的というか、ヌードルス的というか、そんな感じでありまして、こういう路線の「若返り」は大歓迎です。それだけに先行シングルである「その未来は今」が少しだけ浮いちゃってる印象を受けました。ぶっちゃけいらないんじゃないの、ってくらい。まあこれはシングルを聴き過ぎたせいもあるのでしょうけれども。ギターの音も変わってきてますね。ビッグマフ的、LINE6ディストーションモデラー的な、歪み一辺倒の音作りから脱却していってる。でもこれは「はじめに曲ありき」のピロウズですから、『GOOD DREAMS』の曲をより良い形にしようとすれば当然こうなっていくのでしょう。前作『ペナルティーライフ』でもそういうギター面での変化は感じ取れたのですけど、本作はもっとそれが顕著。「Freebee Honey」や「モールタウンプリズナー」のような曲がない、といえばわからいやすいでしょうか。このへん、賛否両論分かれそうですね。個人的には、先ほども書きましたけれど、こういう路線の「若返り」は大歓迎です。進化する若返り、ね。実をいいますと、先行シングル「その未来は今」が出たとき、僕はわりと「何だこの曲、普通じゃないか。どこにでもあるぞこんなの」と素で思ったのですが、まわりの反応を見ると「15年もやってるのにこんな若々しい曲が書けてすごい」みたいな感じで、僕一人すごい違和感。確かに長くやるのは凄いけど、その歴史に甘えちゃバンドとして終わりだろ、などとヒネクレモノ魂全開で。そういった意味で「その未来は今」はいらない、と書いたのです。でもね、『GOOD DREAMS』というアルバムを聴いて安心しましたよ。ちゃんと若返りながら先へ進んでることがわかりましたから。『Thank you,my twilight』というポップロックの傑作を作り、それを少し引き摺って『ペナルティーライフ』を作り、もう一回同じようなの作ったらピロウズやべえなあ、と思っていたものですから、本当に安心した。とりあえず前作より良い、と断言しておく。曲、音、バンドの姿勢、全部含めて。
とまあクソ長い第一印象になってしまいました(苦笑)。聴き込むぞう。