「違う! カズキは違うんだ!
カズキは普通の高校生だった… それを
あの二ヶ月前の春の夜に私が――――
私が巻き込んで戦士にしてしまった
その挙句――…」



武装錬金(5) 和月伸宏 (isbn:4088736702)


ジャンプ本誌で一回読んでいるというのに、泣きそうになった。大丈夫か俺は。もともと密度が鬼のように濃い漫画なので、コミックスで読むと怒涛の勢いに押し流されそうになってしまいます。5巻は第37話「同類項」〜第45話「二ヶ月前の春の夜」まで収録されていまして、つまり僕ら武装錬金ファンが「やべえよ、このままロケットで突き抜けちまうよ」と恐れおののいていた時期ですね。和月も「とりあえず書きたいことを書いちまえ」みたいなハイテンションで詰め込みまくってます。つまり、とても面白い。パピヨンVSバタフライとか、学校のみんなとの和解とか、鉛筆とか、尻とか、ムーン×30とか、とにかく濃度が高い。そして何より、冒頭に引用したセリフが使われている「二ヶ月前の春の夜」ですね。口で説明するほど馬鹿らしいことはないので、とりあえず読んでくれと言いたい。ホント、21世紀の日本に生きているってのに武装錬金をスルーしてどうするの。どうもしない? うん、そうだよね。でもときどきでいいから思い出してください。こんな変な漫画が日本一の部数を誇る週刊少年誌に連載されているってことを。
ちなみに単行本のオマケであるキャラクターファイルでは、ちーちんさーちゃんのフルネームが明らかになってました。「若宮千里」と「河井沙織」。ちーちんは「千里」か「千鶴」かどっちかだろうと思っていたので、とりあえず安心。苗字が大江じゃなくて本当に良かった。あと沙織かわいいよ沙織。