ASIAN KUNG-FU GENERATION『ソルファ』


ソルファ


ようやくASIAN KUNG-FU GENERATIONの『ソルファ』を聴くことができました(私信・うちのCDプレイヤーでは普通に再生できました。多謝!)。今さらかよププ、早漏のくせにこういうハヤリモノに乗っかるのは遅いんだなプゲーラプゲーラ、と皆々様には笑われてしまいそうですね。流行の最先端を行く貴方は、もうすでに「アジアンカンフージェネレーションなどは過去のもの」と帽子を斜めにかぶりながらとうに通過して、ユーラシアンカンフージェネレーションあたりに手を出していらっしゃるのでしょう。もっと流行に敏感な方はイーアルカンフージェネレーションくらいまで行ってしまっているかもしれない。とにかく僕は奥手なものですから、いつも人から一歩二歩三歩出遅れてしまい、話題に乗り損ねるんですよね。まあ、ユーラシアカンフー世代の方も、イーアルカンフー世代の方も、東南アジアンカンフー世代の方も、中央アジアンカンフー世代の方も、よければ僕の話を聞いていただきたいものです。
と長々と意味のない前口上を並べ立てた割には書くことが見つからない。良いものだとは思います。ポップ・ロック。元気。思わず歴史上の剣豪が一箇所に集まって思う存分斬りあうゲームを作っちゃうくらい元気(わかりにくい)。気持ちよく聴けます。ポップ方面にあざとすぎる感じは全然しないし、単にギャンギャンギターをかき鳴らしまくる偏差値の低いロックでもない。売れるのも納得できる。しかし、するっと通過できてしまいます。残らない。なぜだろう。理由はよくわかりません。なんなんだ、僕も若くはないということなのか。前奏でオクターブ奏法を使ってるのを聴くと苦笑してしまう僕はもうアジアンカンフー世代ではないのか。なんか悔しいです。楽しみたいのに。「リライト」の「ホッ」(超ディレイ付き)にブホっと吹き出してしまう僕にはアジアンカンフー世代の資格がないということなんでしょうか。うーむ。
とはいえ「リライト」を筆頭としたシングル群はやっぱりずば抜けてポップですね。いい曲。でも「ホッ」とか、そういうギャグは(ギャグですよねアレ)入れないほうがいいと思いました。無理してナンバーガール(というか向井秀徳)との繋がりを作る必要はないのになあ。しかし一聴の価値はあるアルバムです。僕としては、「リライト」のサビの、「クダーラナッチョッゲッソー」が「くだらない超幻想」だと判明しただけで聴いた意味はありました。もう前々から気になってたんですよ。すっきりした。さっきから「リライト」のことばかり書いてますが、まあ結局僕はその曲が色々な意味で大好きだということです。「ホッ」は何度聴いても笑える。笑っちゃいけないんでしょうか。でも好き。あとジャケット含めアートワークは満点ですね。むしろこの絵に食われちゃってる印象すらある。