題名のない音楽会21

素晴らしい。ザ・クレイトン=ハミルトン・ジャズ・オーケストラがガツンガツンと演奏する名曲の連続にぐいぐい引き込まれてしまい、番組が始まるときに咥えた煙草は、番組が終わるまで火をつけずに咥えたまま。それくらい夢中に鑑賞してました。ま、煙草に火はつかなかったわけですが、僕のハートには「ビッグバンド、カッコイイ!」という音楽に対する情熱が燃え上がってましたよ。巧いこと言ってやった言ってやった! 一曲目の「FLY ME TO THE MOON」でもうヤバかった。ボーカルの人の表情豊かな歌声にも、きっちりと後ろを固めるバンドにも、ユーモラスに指揮するクレイトン・ハミルトンにも、もう全部惚れた。二股なんて目じゃない、やまたのおろちでもおっつかないくらいに浮気状態の惚れっぷり。カッコイイ。そのボーカル、ジョン・ピザレリという人なのですが、ギターも普通に巧くて、こりゃもう女の子は濡れるだろうなあと思いつつ男である僕も濡らされました。早弾きギターとハミングのユニゾン、凄い。あんなのできん。じつにクール。負けたよ、俺負けた。デューク・エリントンの曲も良かったなあ。ラストのサニーサイドも良かったなあ。もう全部良かったなあ。「あー、そんなに凄いならアタシも見るべきだったワァ」、とハンカチーフを噛みしめて悔しがっているあなた、ご安心を。来週の「題名のない音楽会」でも、ザ・クレイトン・ハミルトン・ジャズ・オーケストラの演奏が聴けます。今度は見逃さないようにしましょう。ドント・ミス・イットですよまったく。こういう番組が73パーセントくらいの視聴率を誇るべきなんですよまったく。「ねえねえ、昨日のMステ見たあ?」「みたみたー、嵐チョ→カッコイイ」とかたわけた会話してる場合じゃないんですよまったく。「ねえねえ、昨日のダイナイ見たあ?」「みたみたー、チョ→ビッグだったー」とか、そういうおしゃべりをするべきなんですよ十代は。
羽田健太郎さんが投げかけた「ビッグバンドの魅力とは?」という質問に、「大編成にもなれるし、小編成にもなれる、そのコントラストが魅力だ」とクレイトン・ハミルトンさんが答えていらして、僕は「なるほど」と思いました。ほんと、なるほど。その「魅力」、たっぷり堪能させていただきましたよ。