PUFFY 『NICE.』


NICE.


「いつも小難しい世迷言ばかりほざいてカッコつけてやがるくせに、何、パフィーって。J-POP? ジェイポッ、プゲラッ」と思ったアナタ、今すぐ積尸気冥界波で修羅界に堕ちるべきだと思います。僕は別に吉村由美大貫亜美に萌えたりしているわけではなく、まあ亜美たんにハァハァしていたことがないといえば嘘になりますが、とりあえずそれは置いといて、純粋に、音楽的に、このアルバムが傑作であると言いたいのです。「パフィー」といえば奥田民生だと思われておりますが、この作品では奥田さんの影はほとんど感じられません。プロデュースを担当しているのはアンディー・スターマー、『Spilt Milk』という名盤で有名なジェリーフィッシュという超絶ポップバンドのメンバーでして、この人が全ての楽曲の作曲を担当しているのだから、傑作でないはずがない。M-1「赤いブランコ」から、「これがパフィー?」と思ってしまうほどのブイブイギターサウンドと美メロ全開のパワーポップ。しかしパフィーの二人が歌えばパフィーの曲になってしまうのだからやはり彼女らの個性は半端じゃないですよ。M-2「東京ナイツ」は四つ打ちとギターの共存っぷりが気持ちいいディスコ・ナンバー。ピエール瀧による絶妙にわけのわからない歌詞も、いい感じに艶やか。ベースラインがいちいち熱い。M-6「サンキュー」で聴けるコーラス、ハーモニーは綺麗の一言。M-5「invisible tomorrow」やM-8「Your love is a drug」なんて、本業の人たちが謝りに来ちゃうくらい、アゲアゲで最高のギターポップ。とにかくバラエティーに富んだ、これこそポップ・アルバムだといえる会心のデキです。奥田民生による小ネタ満載のひねくれポップが好きだった人には物足りないかもしれませんが、ジェリーフィッシュウィーザーや、とにかくその辺のバンドが好きな人は聴いて、そしてびっくりするべき。