サイタマゴミだし紀行

地球上の七不思議のひとつに数えられることがないこともない現象、いわゆるひとつの残業をしてきました。しかし皆さんご存知のとおり、僕は今ドラゴンクエストというロールをプレイする方面のゲームに没頭してまして、そりゃもう古井戸に頭から飛び降りて水没するくらい激しく没頭してまして、昨日も睡眠時間を削ってまでドラゴンをクエスチョンしてましたので、端的に言うと素晴らしく眠かったわけで、レジに立ちながら何度か昇天しそうになり、そのたびにトロデ王(註・ドラクエ8に登場する、人語を解す爬虫類のこと。塩が苦手)にフレンチ・キッスを喰らう自分を想像し、なんとか現実世界に戻ってきていました。なかなか厳しい時間でした。家に帰ると山盛りの生ゴミが僕を迎えてくれました。生ゴミは「やっぱりあなたといっしょにいたい」と言いました。僕は狼狽しつつ、「でも、僕はもう君のことを捨てると決心したんだ」と言いました。生ゴミは目をドロリと潤ませて「そんなこと言わないで。あんなに愛し合ったじゃない」と言いました。心優しき僕は、そんな生ゴミのいじらしい姿を見てしまうと、何も言えませんでした。しばしの間があり、ようやく僕は「わかったよ。ずっと一緒にいよう」と言いました。生ゴミはグニュ、と微笑むと、パタンとゴミ箱の蓋を閉めて眠ったようでした。端的に言うと、ゴミを捨て忘れました。