仮面ライダー剣

イイヨイイヨー。笑いと燃えがなかなか高レベルで共存してる。クライマックスが近くなってきて、ようやくこの番組が本来備えておくべき要素である「燃え」が、上がってきました。しかし、だがしかし、まだ「笑い」の瞬間最大風力によってその火はあっさりと消されてしまっていますね。導入部で「カードが戻ってきた!」と場の空気を読まずに喜んで拾う睦月と、それを無視してシリアスな会話を続ける一同。遠くからの、そして斜め上からのカメラ視点を選択し、カードを拾う睦月を端っこに配置したのは大成功です。絶妙。巧い。腹痛い。
しかし今日の放送全体でのMVPは、やはり天王寺さんでしょう。抜群の、飛びぬけたキモさ。素晴らしい。ファンになりそうです。なんか変なねじれた石に愛撫を加えつつニタァリとにやける図は、神がかって気持ち悪かった。そして笑った。いつぞやの「シオーリー」に匹敵しますね。普通に見ればただの演出過剰なんですけど、この「仮面ライダー剣」という番組ではそのマイナスを「笑い」というプラスに転化できてしまう。才能溢れる一握りの者にしか許されない強みですね(一応言っておきますが、皮肉ではなく、褒めています)。その後もキモい演技を連発する天王寺さん、大好きだ。ここまで影が薄かった彼も、一週だけとはいえ、誰よりも、気持ち悪く輝いた。それでじゅうぶんではないですか。お亡くなりになったのが残念で仕方ないです。でも断末魔の瞬間の表情、あのクオリティを見せられては、「やっぱ天王寺さんは死んでこそ」とすら思ってしまう。天王寺様(「様」に昇格)亡き後、真のラスボスとなったカテゴリーキングに、果たして彼以上の演技が出来るのでしょうか。無理そう。
あと最後のショートコントで不覚にも笑った。橘さんは反則。