プラネテス Phase23 「デブリの群れ」

もう言うまでもないことですが、一応ここで予告しておくと、来週僕泣きます。こういう時の僕の予言ていうのは某ノストラダムスさんも脱帽するほどの的中率を誇っていますので、間違いありません。泣きます。号泣というより、「ヒック」的落涙になると思われます。大方の筋は知っているというのになぜそのような事態が予想されるのかというと、アニメ独自の設定で展開するストーリーと、原作での印象的なシーンの絡め方が反則的に巧いため、原作を既に108回以上読んでいる僕のような人間にとっても色々ガツンとくるものがあるのです。原作でいうと宇宙解放戦線がホシノ父を狙うエピソードにあたる今回、元は結構ギャグ交じりのコミカルなものなのですけど、アニメではかなりアレンジが加えられて、ものくそ重いものになってます。カテジナさ――違う、クレアさんはじめ人が死ぬ死ぬ。クレアさんが死んだかどうかはわかりませんけど、まあおそらく近々死ぬ。死なないと話が進まない。ハチマキが先に進めない。命の重さというものを知らせるために、クレアさんの死は必要なのです(もう言うまでもないことですが、こういう方面の予言は当たりません)。原作のタナベさんは完璧主義の慈愛人でしたから、そのキャラづけを徹底するために死人というものに向き合ったりはしてませんが、こっちのタナベさんは否応なく死と直面せざるを得ませんね。その上で「愛」を提示する。来週を見てみないことにはなんとも言えませんけど、そのほうが原作よりもセリフに説得力が出てきそうな感じがします。
プラネテスは舞台が近未来宇宙であるためSFというくくりで語られがちですが、こりゃそんな範疇はゆうに超えちゃってますよ。前回にも書きましたが、プラネテスは「繋がりの物語」です。その「繋がり」の雄大さ、茫洋さ、偉大さ、そして、「確かにそれはそこにある」という存在感、全てをひっくるめて、対等に張り合えるのが「宇宙」しかないがために、原作者幸村誠はSFというジャンルを選択したのだと思います。「何を今さら」と仰ることなかれ。もともと理解力に乏しい僕は、原作を紙に穴があくほど繰り返し読み、アニメをテープがすり切れるほど繰り返し試聴することにより、ようやくその事実を実感するに至ったのです。これまでも頭で理解はしていましたけれど、『プラネテス』のテーマはあまりに大きすぎて掴むことができなかったんですよね。紆余曲折を経て、ようやく辿りつけました。
来週のサブタイトルは、「愛」。