プラネテス

プラネテス 1 [DVD] プラネテス 2 [DVD] プラネテス 3 [DVD]


買った。観た。夜が明けた。四回泣いた。どうしたことだ。涙腺が弱いことで定評のあることは自覚していたけれども、これほどとは思わなかった。オーケー、認めよう。僕はプラネテス信者だ。この作品のことならば全てを許容してしまえるほど盲目的になっている。ストーリーはもちろんのこと、間のとり方、音楽、映像、全てが「僕のために作られている」と豪語してしまえるほどの入れ込みようだ。今さらそのスタンスを変えるわけにはいかないし、変わるはずもない。ならば僕は信者であることにこれ以上なく自覚的でいよう。そうすることで少しはこの作品と対等に向き合えるような気がする。『プラネテス』というアニメは、単に「テレビの前に座って見ました、面白かった、おしまい」で済まされるようなものではない。こちらも全力でぶつかっていく必要があるのだ。こういう痛いことを書くとこれまたNHK教育テレビの理科番組における100倍速再生引き潮シーンのように読者様がすすすと去っていくような気がするけれど、嘘をつくよりましだと思う。
今回買ったのは1〜3巻、計8話が収録されている。そのひとつひとつに感想を書くとスターリンの五ヵ年計画も真っ青になるほど長くなってしまうので割愛するけれど、本当は書きなぐりたい。「タナベかわいいよタナベ」という下世話な“萌え”から、「愛とは、人生とは何か」というシリアスな哲学的問題まで、余すところなく書きなぐりたい。でもそんなのは誰も読まないだろうし、僕自身、後で読み返して恥ずかしさのあまりショベルカーで穴掘って物凄い勢いでその穴に飛び込んでしまいそうなのでやはり自粛させていただく(今だって既に大きめのスコップで穴を掘っているくらいだし)。僕に言えるのは、「まずはプラネテスを見てください」という、これ以上なくシンプルなお勧めの言葉だけである。「見ないと損」とか「見ないやつは負け組」だとか、そのような低能丸出しのことは言わない。ただ、見てほしい。そして何を感じるかは皆さんの自由だ。僕がDVDを見境なく貸し出したっていい。とにかく、見てほしい。第三話「帰還軌道」、第七話「地球外少女」の二本だけでもいい。見てほしい。