the pillows『916』


916“15th Anniversary Special Live DVD”


2004年9月16日に東京の渋谷AXにて行われたザ・ピロウズの結成15周年記念ライブの模様を収めたDVDをようやく買って、ようやく観ました。いいじゃない。とてもいいじゃない。容量の関係なのか、実際の曲数から5曲ほど削られてたり、なんか観た人から「微妙」みたいな声もあがっていて、不安に怯えつつ再生したのですけど、――うん、いいじゃない。細かいことはわりとどうでもよくて、「Swanky Street」で涙ぐんでしまった僕はこのDVDを肯定しますよ。そりゃね、言いたいことは山ほどありますよ。バスター君うざいとか、当日の流れを完全無視すんなとか、バスター君うざいとか、これじゃ初めて観た人にはダブルアンコールがあったことが伝わらないじゃんとか、バスター君うざいとか、ていうかキムディール削るなクソがとか、バスター君うざいとか、むしろアイノウユー削れとか、そんな感じのこと。でもいいんです。どうせ全曲が収められないのなら――つまり「完全再現」ができないのなら、これくらいぶっ壊しちゃったほうが、中途半端な記録映像を作るよりも、「映像作品」として割り切れます。ちょっと味付けが濃すぎる気はしますけども。バスター君のアニメーションを挿入するタイミングと回数さえ見誤らなかったらもっと良いものになっていたことでしょう(ほぼ一曲ごとにアニメ挿入とか、何考えてんだ?)。音的にも文句は(あんまり)ないです。真鍋氏頑張った。
このライブに関して思い入れを語り始めると有精卵からヒヨコが生まれてしまうくらいの時間が必要になってしまうのでとりあえず黙っておきます。しかしこれだけは言っておきたい。15周年という節目のライブにおいて、僕がピロウズと出会うきっかけとなった「NO SELF CONTROL」が演奏されたこと、今さらながらとても嬉しいです。他にも、一番好きなピロウズナンバーである「Funny Bunny」、聴くだけで涙腺が緩む「RUSH」「Swanky Street」「パトリシア」「確かめに行こう」等々、個人的思い入れソングがいっぱい。いいじゃない。とってもいいじゃない。『BUSTERS ON THE PLANET』のような演奏の乱れも見当たりませんし、さわおはとっても丁寧に、それでいてテンション高く歌ってますし、いいじゃない。ピロウズいいじゃない。
編集されまくりという点で、当日のライブを見てない人にはあまり優しくない作りになっていますけど、とりあえずピロウズファンなら買いだと思います。「THUNDER WHALES PICNIC」のカッコよさにうっとりするべき。そして早送り演出でニタリと笑うべき。そしてバスター君うざい。