Brian Wilson『SMiLE』


スマイル


昨日買ったBrian Wilsonの『SMiLE』を一度も停止せずにリピートしてるんですが(寝てる間もかかりっぱなし)、なんつーかコメントをつけることすらためらうほどの作品ですね。神々しい。いや、違うな、そんな高尚でもない。美しい、ってのが陳腐だけど僕にいえる唯一の言葉でしょうか。というより、そういうことを考えるのすら面倒になる。聴いてるだけで幸せですよ。ポップ・ミュージックのアルバムで興奮のあまり身体を震わせたのは久しぶりです。このアルバムは曲ごとの「間」というものがほとんどなく、音が繋がったままどんどんリスナーを包んでいくんですが、それが心地いいのカッコいいのなんの。圧倒されるだけですよ。ブライアンの声も普通に出てるし。M-16「IN BLUE HAWAII」からM-17「GOOD VIBRATIONS」への流れはヤバイですよ。「ヤバイ」なんて頭の悪い言葉しか出てこないくらいヤバイ。ブライアン・ウィルソンのこれまでの人生とか考えつつ聴くと一層ヤバイ。それは純粋な音楽の楽しみ方ではないんですが、やはり37年の時を経て完成を見たって事実は大きいですよ。詳しい経緯は長くなるから省きますけど(関連の雑誌記事とかいっぱいあると思うので、それを見て)、そういうのを加味してブックレットの最後に記されたブライアンの言葉を読むと、やっぱりグッときてしまう。

To all the fans who have waited all these years for me to finish Smile.
I dedicate this to you. ――Brian Wilson


僕はそれほどビーチ・ボーイズ及びブライアン・ウィルソンに入れ込んでいるわけじゃありませんけど、1月の終わりから2月のはじめにかけてブライアンが来日してた、という事実をつい最近知り、己のアンテナの低さとついでに性器の小ささに唇を噛みしめたりしてました。なんてことだ、まったく。フーといいブライアンといいストーンズといい(ポール・マッカートニーはどうでもいい)、僕は見逃しすぎです。金欠がなんだっていうんだ。はぁ。しょうがないから僕はこのアルバムを聴きまくりますよ。いつもは蛇足にしか思えない「日本盤ボーナス・トラック」も、このアルバムに関しては、なんというか、「GOOD VIBRATIONS」という超名曲で幕を引いた『SMiLE』のエンドロールみたいな感じで余韻に浸ることができたりする。とりあえず全人類にオススメしときます。