福山芳樹自らFIRE BOMBERをトリビュート

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このエントリーのタイトルを見て、10割がたの人が「ハァ?」と思ったことでしょう。「FIRE BOMBER? 新手のm.c.A.T.ですか?」と、そう突っ込みを入れたがってるに違いありません。気持ちはわかります。知ってるほうがおかしい。知らないのが普通。でも、このはてなダイアリーを日頃から読んでくださっている皆様ならご承知のことと思うのですが、僕はおかしいのです。普通じゃない。だからこのニュースを知って、「わあお!」と驚くのです。「この話、マジ? マージ・マジ・マジーロ?」と天空聖者が街にやってくるほど驚くのです。ここは僕の日記帳ですから、驚いたことは書き記さねばなりません。
FIRE BOMBER」――鬼畜米英に喧嘩を売ってるのかどうかは知りませんが「ファイアー・ボンバー」と発音します――は『マクロス7』というアニメ作品に登場する劇中バンドであります。『マクロス7』において「歌」は重要なテーマであり、劇中でも歌が流れまくります。主人公・熱気バサラは歌キチガイで、もう朝から晩まで歌。歌に始まって歌に終わる。「そんなに歌っちゃうなら、声優にやらせるのは大変だし、本職の人に歌ってもらおう」ということで、HUMMING BIRDというロックバンドのボーカル、福山芳樹さんに白羽の矢が立ちました。つまり「喋るバサラ」と「歌うバサラ」の二人がかりで声を担当したわけです。不思議なことに全く違和感はなく、むしろ大ハマリで、戦場のど真ん中で「俺の歌を聴け!」と叫ぶ熱気バサラのキャラクター性は、ごく一部の人たちの心を鷲づかみにしました。僕はそのうちの一人であります。お恥ずかしい話ですけれど、「音楽」というものと真剣に向き合うようになったのも、『マクロス7』との出会いがきっかけなのです。
であるからして、このニュースは大変嬉しい。ファイアー・ボンバーは単なる「作中バンド」の域に収まりきらず、数々の名曲を生み出しました。今になって聴けば、無駄に激しいハードロック臭、打ち込み全開のグルーヴ皆無ドラムなどなど、耳につく「稚拙」な部分はたくさんありますが、それでも僕がファイアー・ボンバーを愛してやまないのは、ひとえにそのメロディーの美しさと、ボーカル福山芳樹さんの類稀なる表現力にあります。「お前が風になるなら / 果てしない空になりたい」「俺の歌を聴けば / 簡単なことさ / 二つのハートをクロスさせるなんて」などといった直線的なメッセージ性を美しくも芯の太い声で歌い上げる。僕にいわせれば、ファイアーボンバーは音楽性を超越した次元のロックを体現しています。それは「恥ずかしさ」です。「恥ずかしさ」の感じられない音楽はロックではない。表現するためには、伝えるためには、晒さねばならんのです。「脱衣」が必要なのです。――なぜ僕は朝っぱらからこのような赤面必至の夢見がちな長文を書いてるのか。
とにかく嬉しいニュース。前述の「打ち込み全開ドラム」は、福山氏自らのアレンジということでたぶん解消されるでしょう。ということはまさに完全無欠なFIRE BOMBERが僕らの前に姿を現すということです。これが期待せずにいられようか。とりあえずFIRE BOMBERの名盤『LET'S FIRE!』でも聴きながら休日を過ごすことにします。「レッツゴー・突き抜けようぜ、夢で見た夜明けへ」。