ひぐちアサ『おおきく振りかぶって』


おおきく振りかぶって (1) おおきく振りかぶって (2) おおきく振りかぶって (3)


読みました。で、本を閉じ、煙草をムフーと吸ってたんですけど、なんか無性におおきく振りかぶりたくなり、部屋の中で三浦大輔の二段フォームを全力で真似してみたらテーブルを蹴ってしまいました。煙草が落ちました。というか灰皿も落ちました。テンパりました。掃除しました。そして懲りずにもう一回、今度は松坂大輔の真似をしてみました。うまくいったので満足しました。野球に限らず、こういった高校スポーツモノの漫画というものは、「あー、俺も若返ってもう一回部活やりてーなー」と読者に思わせたら勝ちである、と常々考えていて、その観点で言えば、この作品、間違いなく「勝ち」でありましょう。いい漫画です。舞台が埼玉県で(中原裕の『ラストイニング』も埼玉ですね、そういえば。流行ってるのかしら?)、その辺も親近感が湧きます。春日部、っていう文字が出てくると燃える。とはいっても作中の「市立春日部高校」は、僕の母校がモデルではなく、高校野球ファンにはおなじみの「春日部共栄高校」がモデルなのでしょうけど。それか「春日部工業高校」かな。どちらもかなり野球が強い。横浜の土肥投手は共栄のOBだったり。僕の母校「県立春日部高校」は、あんまり野球強くないです。しかし共栄のせいで「あー、春日部ってあれね、野球強いとこでしょ」と言われます。困ります。
まあとにかく、高校野球漫画ではかなりの水準に達している作品です。オススメ。でも野球漫画No.1の座につかせるには、まだまだ今後の展開を見てからですね。コージィ城倉『砂漠の野球部』(小学館サンデーコミックス)に勝てる漫画はそうそう出てこない。「何それ?」って人は漫画喫茶かなんかで読んでみることをオススメします。関東の名門校で落ちぶれてしまった野球部員が鳥取の高校に転校して甲子園出場を目指す話です。ちなみにコージィさんが現在マガジンスペシャルで連載してる『おれはキャプテン』も、なかなか荒唐無稽で、しかしリアルっぽい雰囲気もあり、とてもオススメです。『おれはキャプテン』を島流しにした週刊少年マガジン編集部は本当に無能です。困ります。


※追記※ 「春日部高校」がキーワード化されててちょっとびっくりした。まあ「アホ」という面では他の追随を許さない高校ではあったけれど。ちゃんと「甲子園の出場経験はない」と書いてありますね。でもいい高校でしたよ。