けものがれ、俺らのタルるート

時の流れはげにまっこと早いもので、「はてなダイアリー開設二周年ですが記念にオティンティン開帳してよかですか、快調に開帳してよかですか、うはっ、その姿、まさに怪鳥!」なんてことを言ってから一ヶ月が経つわけでありまして、言ってないけどとにかく一ヶ月経つということには変わりないわけでありまして、その間僕は「企画」と称して妄想を小説という形にして駄々漏れにしまくり続けました。お題を頂き、それを即座に小説化するというのがウリだったはずなのに、実行できたのはせいぜい最初の三日ほど、三日坊主という言葉がこれほど科学的に証明されたのは古今東西初めてではあるまいか、とにかくあまりの坊主っぷりに般若心経を暗記する義務が発生しかける有様でございました。「般若」ってイメージ的に超怖いけど平仮名で書くとけっこうカードキャプター的に萌えるぜ兄弟、とかそういう世迷言はどうでもよくてですね、とにかく怠惰ながらも一応けっこうな量の小説を書いたのですよ。その小説は過去ログを辿れば読めるのですけど、ちょっとめんどい。僕は水もしたたるいいアーカイブマニアなので、この場を用いて二周年企画の小説をまとめてみようと思います。相変わらず本題に至るまでが遅い。下半身は早いのにね。ってイマドキそんなギャグぅ?(爆笑)(爆笑)(爆笑)(はんにゃ)


と、ここまで書いて、「二周年小説」というカテゴリーを自分で作っていたことに思い至った。もうアーカイブれてるではないか。間違って育毛剤を乳に塗ってしまったときの乳毛ほどクソ長くなってしまった前置き文が全て無駄になってしまうではないか。無駄にさせてたまるか。言葉は命だ。乳毛のように長ったらしい文にだって命はある。僕はその命を無慈悲に消し去ることなんてできない。つーわけで企画倒れですが続けます。はんにゃー(気に入ったらしい)


まず最初に、→まとめて読みたい暇人のためのリンク

「犬はおやつには入らない」(id:mikadiri:20050421#1114048567)

記念すべきかどうかはわかりませんが、一応二周年記念企画という名目なので記念すべき一作目。予想していたとはいえ、のっけから変化球なお題を頂き、僕の息子はカーブ軌道を描いて喜んでおりました。僕の息子の情操教育にご協力ありがとうございます。すくすくと左曲がりに育っております。はてなで小説を書くのは初めてだったので、本サイトと同じ調子で書いたら意味ないなあと思って、かなり適当に書きました。そしたら変なのができました。ちなみに真面目に書いても変なのができあがります。「芸術は過程じゃない、結果がすべてなのだ!」と某画家が仰ってましたが、まったくそのとおりですね。芸術?

「ふぞろいの陰毛たち」(id:mikadiri:20050422#1114131638)

記念すべき二作目。これもまあ、言うまでもないことですが、変ですね。「淡く切ない青春ラブストーリー」を目指して書こうと思い、そして思い通りの淡く切ない青春ラブストーリーができあがりました。中学生日記のスタッフに原作として勧めたいくらいです。あ、でもNHKじゃペプシが出せないな。コカコーラ社員に怒鳴られちゃう。残念。

「篠塚の打球」(id:mikadiri:20050423#1114220112)

記念すべき三作目。バイト先で労働しているさなかに書き出しを思いつき、「勝った」と思った小説。僕が「勝った」と思った小説は、基本的に意味がわからないものになる傾向がありまして、今回もその基本を忠実に守った形になりました。わけがわかりません。これからは野球中継の解説に篠塚氏が存在しているだけでニタニタしてしまうことでしょう。今の僕は勝ってると思います。

レンタルショップの女〜悲哀の坩堝〜」(id:mikadiri:20050426#1114498976)

記念すべき四作目。「二級河川」という言葉を使いたいがためだけに書き上げました。みんながみんな「すきすきすきすきすーきすき、一級河川」と歌にしてまで一級河川を持ち上げていて、二級河川はその影でずっと耐え忍んでいたのであり、水もしたたる義憤家としてこの状況を放っておけるはずもなく、とにかく二級河川にスポットが当たるように、二級河川一級河川に負けない魅力があるよ、ということを綴った次第。実際に二級河川を見たことはありません。

「VIP常務的経営管理システム論」(id:mikadiri:20050501#1114921814)

記念すべき五作目。じっくりコトコト煮込んだスープをじっくりコトコト煮込んだらどうなるんだろう、と考えてたら煙草の先っぽの火種が床に落ちてアヒャアとか言いながらパニクってしまった経験から生まれた小説なのかは不明です。個人的に最初の一文が大好きです。

「膨張する未来と正しい円周率の求め方、あるいは牛乳ビンの蓋」(id:mikadiri:20050516#1116209714)

記念すべき最終作。僕は小説を書くときに「これこれこういう流れでこういう終わり方にしよう」などと考えることは生まれてこの方一切なくて、いや、漠然としたイメージは抱きながら書きますけど、基本的には書いてるときのテンションで色々変化します。右へ行ったり左へ行ったりスキップしたりジェンカを踊りだしたり、そんな感じですから当然全体としては破綻した小説ができあがるのですけれど、この「膨張する〜」は、最初っから破綻スレスレで低空飛行してる感じで最後まで破綻せずに行ってしまったという珍しいケースです。無駄な描写ばかりの小説ですが、けっこうお気に入りです。僕は自分の書いたもの全てが大好きという変態なのですけれど、その中でもお気に入り。ジョン・鈴木。