Pall Weller『Wild Wood』



ザ・ジャム、そしてスタイルカウンシルと、ポール・ウェラーが携わっているバンドは大好きでして、もう好き好き好き好き好きー好きウェラーさんな勢いなのに、なぜか、彼のソロ作品には手を出したことがありませんでした。「奴はバンドでやるからこそ輝くのだ、ソロってなんじゃい」と、音源を聴いたこともないのに決めつけてしまう。レコード屋で中古のアルバムを見かけてもほぼ全てが三桁の値段で叩き売りにされていて、「安いってことは中身も駄目なのだ」と決めつけてしまう。バカの典型ですね。僕はバカでした。ポール・ウェラーソロ作品初体験の『ワイルド・ウッド』、とにかく素晴らしい。 M-1「sunflower」で一気に引っぱられました。ジャム的な勢いとか、スタイルカウンシル的なバリオサレ具合はありませんけれど、年齢に伴った深みみたいなものが感じられます。ギターのフレーズが渋くてカッコイイ。ドラムスも地味ながら耳に残るプレイ。クレジットには「DRUM:STEVE」とありましたが、これはやっぱりスタイルカウンシルのスティーブ・ホワイトなのでしょうか。ドラムを聴いて、叩いてる人物がわかるって次元まで耳が進化していないのでなんともいえません(ボンゾやキース・ムーンはさすがにわかるけど)。なんにしろ、ちゃんとバンド・サウンドになっていて、バランスがよろしいです、このアルバム。「sunflower」以外もいい曲がてんこ盛り。ファンキーなインストあり、聴かせるフォークあり、もちろんポール・ウェラーの声にも力があって、気づいたら全部再生し終わってる、っていう感じで気持ちよく聴けます。全体的にアメリカチックですね。ニール・ヤング的と言ってしまったら乱暴かもしれませんが、そんな感じ。ジャケもイカす(画像はたぶんUK盤)。名作。
どうでもいいことですが、ポール・ウェラーって、なぜかいつもフルネームで呼んでしまいます。「ポール」だけだとマッカートニーなイメージが湧いてきてしまうんですよね。俺はおっさんか。おっさんだ。ポール・ウェラーももうおっさんだ。仲間だ。