雷鯨のピクニック

インドロップスフォーリンオンマイヘッドどころかレインにレイプされそうな勢いであった昨日、太りすぎた神様がサウナスーツ着てマラソンしたあとにスーツの中に溜まった汗を下界に捨ててんちゃうかと突っ込みたい気分でございましたけれど、ちょうどその頃僕は、手加減を忘れたディズニーランドのアトラクションみたいな水流に打たれつつ、いったい誰がミスター味っ子の作った料理を味見してるんだろうなと考え込んでしまうほどの稲光に怯えつつ、ドラッグやってハイになった坊主が乱打してる鐘の音のような雷鳴に怯えつつ、自転車をこいでバイト先へ向かっていました。びしょ濡れですよびしょ濡れ。空が光ってゴォーとか言うたびに「ヒッ!」と短い悲鳴をあげつつ傘を倒すもんだからびしょ濡れ。傘倒さなきゃいいじゃんって? バカをお言いでないよ。だって傘さしてたら雷に打たれるぜ? 僕の住んでるところは田舎だから田んぼしかないところがあって、コンビニに向かうにはそこを通らなきゃいけないんですよ。田んぼのど真ん中で傘さして自転車こいでる人間がいたら、もう雷様は涎たらして向かってくるでしょ。僕が男性か女性かなんて関係ない、わき目もふれず襲いかかりますよ。イクだけイカせて地面へさいなら。なんて自分勝手な雷。最近は雷の世界でも避妊運動が広まっているらしく、でかいビルの上なんかにはいかがわしい針がおっ立ってますけど、こちとら田んぼだ。ナマですよナマ。危険日ですよ。この歳で妊娠なんてしちゃったら大変。エイズになったらどうするのよ。いつだってそうよ、あなたって、私のカラダだけが目当てなんだわ、そこに愛なんてないのよ、ヤることしか考えてないのよ、もういい、もういいわよ、私出て行くわ、こんな生活続けていられない、あんたなんて、あんたなんて、大っ嫌いよ!


――と、そんなわけで僕は雷が嫌いです。