時にはマイルスみたいに

ジャズというと、「あれじゃろ? スウィングじゃろスウィング。スイングじゃなくてスウィ! スーウィ! って感じのイング。これすなわちスウィング」てなことをほざき倒すくらいジャズに関して無知な僕でありますが、自分が好きなアルバムとかミュージシャンとかを分類してみると、どうやら「ビ・バップ」もしくは「ハード・バップ」が好きなようであった。ビ・バップっつったって「あれじゃろ、アドリブじゃろ? アドリブしすぎて高速になっちゃったんじゃろ?」って認識しかありません。凄く間違っているような気がします。「ハード・バップ」に至ってはもう、「よくわかんねーけどハードなんじゃろ?」な始末。つまり何もわかっていません。体系的にジャズを聴くなんてハイソな真似はできず(知らないんだから当たり前)、ただジャズを聴いて、「いいわあ」と思うだけの小市民ケーン。そんな小市民が少しジャズについて調べてみたのですが、ハード・バップって、別にハードなバップってわけじゃなくて、むしろ柔らかいバップというか、聴きやすいバップというか、そんな感じみたいですね。おお、俺今すごく頭が悪そうだ。悪そうというか悪い。まあなんつーか、ジャズ知らない人が(つまり僕のような人間が)聴いたら、「おっ、これぞジャズ」って思うような感じ。っていう。バーとかに似合いそうな。っていう。
話はいったん物凄く変わりまして、僕は常々このサイトで「スクービードゥー愛してる」と書き連ねています。映画じゃなくてバンドのほうです。ファンキーでソウルフルでエブリバディな感じの、とてもかっこいいバンドです。そのスクービードゥーがライブでステージに登場する際に使っている音楽。これがね、とてもクールな感じで落ち着いてて好きなんですよ。カランコロンとグラスの中で氷を揺らしたくなる系、つまり、ジャズについて少し調べた今だから言えることですが、「柔らかいバップ」であるわけですね。好きだから家でも聴きたくて、誰の曲だろうって思ってたんですけど、見当がつきません。ジャズってのはわかるんです。でも無知だから、誰の演奏なのかなんてわかるはずもないし推測できるはずもない。トランペットがいるのはわかる。サックスもいる。手がかりはそれだけ。柔らかいバップのミュージシャンなんて星の数ほどいる。ネットで検索してきても有益な情報は得られませんでした。まあいいか、ライブ行けば聴けるんだから。なんて感じでいつしか諦めちゃってました。
さて話はまた戻ります。ジャズの世界には、アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズという、おっさん率いる集団がいまして、アートさんのドラムがアホみたいにジャンジャンドカドカしてたりしてて、この人たちのこと好きなんですけど、ちょいとインターネットを散歩して色々読んでみたら、彼らこそまさにその「柔らかいバップ」をする人たちだったみたいですね。代表作に「モーニン」とかありまして(asin:B00000I8UF)、表題曲はかなり有名だと思うのですが、そんな有名な曲を演奏する有名人間さんたちです。「そうか、この人らが柔らかいバッパーだったのか」と僕は一人で納得してました。納得しているうちに「こいつらのアルバム欲しいぜ病」を患いまして、しかしその病気の特効薬である「アルバム買う金」がない僕は、病を一時的に沈静化させる「アマゾンドットシーオージェイピー試聴」を服用しました。アマゾンで出てくる彼らの作品紹介ページに試聴コーナーがあれば即座に聴く。40秒しかなくても聴く。結果的にこの試聴薬は「ああ、全部聴きてえ!」と物欲を加速させただけで何の意味はなかったのですが、ひとつだけ劇的な発見がありました。


「あっ、これ、スクービーやん!」


そう、前述のライブオープニングSEに、こんなところで巡り合ったのです。「MISSION ETERNAL2」(asin:B000000ZEU)というアルバムに収録されている「A CHANT FOR BU」という曲でした。アート・ブレイキージャズ・メッセンジャーズだったのか。柔らかいバップだとは思っていたけれども。まさかこんな大物だったとは。そりゃ好きなはずだ。運命。感じずにはいられない。まあ運命というには時間がかかりすぎですが(何時間試聴してたんだろう?)、暇人でよかった、と心から思った瞬間でした。当然、即座に注文しました。もうそろそろ届くはずです。楽しみです。代金引換で届きます。楽しみです。今からヘッドフォンを装着して待機してます。
問題は、ブツが届いてもカネがないということじゃな(おわり)。