the pillows『the third eye』全曲感想

ピロウズに興味のない読者さんたちを置いてけぼりにする週間です。置いてけぼりウィィーク。ィは二つもいりませんが、まあたまにその辺を伸ばしたくなるときってありますよね。ないか。ないならいい。シングルを聴いての雑感は書いたのですけど、やはりピロウズの新譜が出たなら全曲感想をせねば始まりません。僕的に。新譜入場、即座に全曲感想。盛り下がる披露宴会場。ケーキ入刀のかわりにアップロード。これが現代のインターネット結婚式。成田離婚どころか式場離婚。スピーディに行こうぜ、人生は。離婚くらいちゃっちゃと済ませてさ。仲人と泣こう。なんだこの前説は。前説なのかこれは。
とにかくこのシングルを買おう。買えば当然、曲を聴いて楽しめるし、僕が書いていることの意味もなんとなくわかって、二倍人生が楽しくなる。ちょう一石二鳥。二兎を追ってたらあらあら二兎得ちゃった。いいのかしらこんなオトク感満載で。

「the third eye」

この曲に関しては一昨日あたりに書いてありますけれど、改めて、いい曲ですねと言いたい。ライブで初めて聴いたとき「おっ! これは! アゥイエ! じゃないか! ヘイヘーイ!」と素直に思えたのは(つまり「カッコイイ」と思えたのは)、ピロウズの新曲に関しては久しぶりであったような気がします。つまりそんくらいインパクトがあります。イントロから最後まで曲を彩り続けるリフの存在が大きい。そのリフに絡めたツイン・ギターパートもあったりで、「おおう、ディスイズギターロック」な感じであります。あと忘れちゃいけないのがサビのメロディーで、これまた個人的な話ですが、サビを初めて聴いて、メロディーラインに「おっ! これは! アゥ(以下略)」と思えたのは「バビロン天使の詩」以来でありました。非常にポップ。誤解を招く言い方かもしれませんが、「売れ線」であります。ピロウズの曲が売れ線でなかったことなどあまり無いのですが、その中でも極めて売れ線的。売れろよコンチクショウ。
ギターの音はそれほど歪んでおらず、かといって軽くもなく、ちょうどいい塩梅。歌メロの素晴らしさを活かす方向なのでしょうか。フィルインをほとんど挿入しないドラムスのシンプル具合も、逆に潔い。曲そのものに自信があることの表れではないでしょうか。とはいっても、要所要所でイカすプレイを聴かせてくれます。「むくち〜な〜時代〜」の、スネアが微妙に強くなっていって「ツパっ」って感じで締めるあたり、アハン、痺れる。ラストのサビでシンバルを裏に入れてくるところとかも、カッコイイ。さすが佐藤しんいちろう。ベースはですね、僕のヘッドフォンが低音に弱いせいもありますが、それほど目立ってはいませんでした。この曲を鹿島達也が弾いたらどうなるのだろうな、と少し思ったりした。
歌詞ですが、いい歌詞だと思います。でも僕にはそれほど響いてはきませんでしたね。カタカナ体言止めを聴くと少しばかり冷めてしまって(笑)。曲のほうにばっかり耳がいってしまいます。あ、そうだ、ひとつだけ。サビの「僕を連れ出しにくるモンスター」って歌詞あるじゃないですか。僕、ライブで何回か聴いて、てっきり「僕を連れ出しにくる“のさ”」だと思ってたんですよ。だから「モンスター」だと知ってびっくりした。「のさ」があまりにシックリきていたもので。というか、僕は「のさ」のほうがいいと、傲慢にも思う。「消えない幻」が「姿を変えて」「モンスター」になるわけですね。でも最初に「消えない幻」と唄ってて、それだけで詞的な味わいがあるのに、わざわざそのイメージを「モンスター」に収縮させる必要があったのかなあ、と思いました。当然あったんでしょうけど。先入観って怖いですね。「のさ」がこびりついちゃってて。困る。



まだ一曲なのに、なんだこの長さは。続きます。