風に吹かれて

今日一番多く口の中に入れたものが食べ物じゃなくて砂っていうのは人としてどうなのか。僕は人間なので栄養が欲しい。砂はいらない。砂という字は石が少ないと書くけれども、いやいや石も多いぜ実際のところ。バババババとか言ってたもの。僕の顔面上で砂が。バババババって。言ってた。小学校のグランドの横を自転車でチャリンコングしてたら突風さんが「やばい! 寝過ごした! 早く起きなきゃ! お母さんのバカア! なんで起こしてくれないのよう! 今日はセンパイとのデートなのに!」って感じの勢いでいきなりグオゥと吹きつけてきやがりらっしゃって、ワタクシの顔面上で砂と呼ばれる石どもがダンシングトゥゲザー。バババババ・ダンシング。蹂躙される僕。あばばばば、とか言って。ファーストキスの相手は砂でした。ファーストキスはきっと真っ赤に熟れたヘビイチゴの味がするの、って夢見てた僕の幻想は完膚なきまでにバババババニッシュ、なんてこたあねえ、砂の味だ。サンドテイストだ。テイスト・オブ・サンドだ。サハラの味。うまい棒サハラ味を買えばすぐにでも味わえるファーストキス。ゴビ味でもいい。とにかく砂。もう風の強い日に小学校のグランド横は走らない。絶対に走らない。前にも似たようなことがあったし、二度あることは三度あるというし、砂だけに三度あるっていうし、て、サンドと三度て!(笑) て!(笑) サンドマスター!(笑) 世界はそれを砂と呼ぶんだぜ!(笑)
寝ればいいんでしょ寝れば。