プロ野球スピリッツ3

セントラル・リーグより一足先にパシフィック・リーグが開幕を迎え、日本プロ野球もマジハンパなく球春到来な今日この頃、皆様いかがお過ごしですか? 僕は昨日の開幕戦に行ってきました。インボイス西武ドームでの西武ライオンズvsオリックス・バファローズ戦。ボール判定が物凄く多くて若干グダグダした展開ではありましたけれど、試合自体はなかなか面白いものでありまして、存分に開幕気分を楽しめました。西武のスタメンに高卒新人・炭谷銀仁郎が入っていたことにも驚きましたが、一番びっくりしたのが客入り。めちゃくちゃ多い。大観衆。実は今まで開幕戦というものには行ったことがなかったので比較はできないんですが、それでも多い。立ち見まで大量に出ていて、こんな西武ドームは見た事ありませんでした。日本人の野球熱が高まっているのでしょうか。いいことです。他のカードも大入りだったようで、よきかなよきかな。WBCよありがとう。
前置きが長くなりました。タイトルにも書いたとおり、ゲームの話をしようと思っていたのです。プロ野球のゲームといいますと、古今東西さまざまなものが発売されておりますが、昨年僕が大ハマりしたのがコナミの『プロ野球スピリッツ2』。小学生の頃から「見た目がスーパーパワーリーグで中身が実況パワフルプロ野球なゲームが出ればいいのに」と思っていた自分にとって、このゲームはまさしく理想が形になってでてきたといえるものでした。非常にレベルの高いグラフィック、そして野球の面白さを可能な限り追求したゲーム性。野球ゲームでペナントレースを始めても40試合くらいで飽きてしまう自分が1シーズンやりぬきましたからね。100時間はゆうに遊んでいる。そのくらい面白い。『パワプロ』が年々「野球ゲーム」ではなく「野球を題材にしたテレビゲーム」になってしまっているのに対し、『プロスピ』はあくまで「野球」のリアルさを表現し、提供しようとしている。この差はでかいです。
両者のあいだで何が違うのか。投球を例にしますと、明らかに『パワプロ』より『プロスピ』のほうが現実的であり、同時に面白い。『パワプロ』は「ゲームとしてのわかりやすさ」を重視するあまり、投手が実際に投げることのできる変化球をなくしてしまったりしています。しかし「ゲーム」的には、それもしょうがない。軌道が変化しないストレートよりも変化球のほうが打ちにくいのは当たり前なわけで、投手の変化球を全て再現してしまったら、バッティングが難しくなってしまい、ゲームとしてのバランスが崩れてしまいます。しかし「野球」としては、それはどうなのでしょうか。
ゲームとして破綻させずに、野球としても成立させる。この難しい問題に、『プロスピ』は苦労して答えを出しました。「投手の持つ球種ひとつひとつに、球威・コントロールのデータを設定」したのです。これによって、全球種を再現したとしても、「この投手のカーブはコントロールが悪いから使いにくい」「このフォークは球威がないので打たれやすい」などといった状況が生まれ、ゲームとして難しくならずに済んだのです。それでいてリアルっぽい(「ぽい」っていうところがパワプロ系ゲームの限界でしょうか)。配球の幅も広がり、投げていて楽しい。『パワプロ』では打者を抑えるためにスローボールを駆使しなければならなかったりしたのですが、『プロスピ』ではそんなことはありません。だいいち、スローボールってもの自体がない。非現実的すぎますからね。もちろん『プロスピ』にも問題はいっぱいありますが、とりあえず、「投球を楽しむ」という点においては、日本プロ野球ゲームの中では最高峰だと思っています。
そんな『プロスピ』の新作が4月6日に発売されるので、僕は今からワクワクドキドキしてるのです。公式サイトを見ていると、「JFKJFKの順で出てきますよ」とか書いてあったり、前述の西武・炭谷が収録されていなかったり、「えっ、それはない」と思わないこともありませんが、面白いゲームであることを祈っています。