NAKED SHUFFLE

さて、iPod shuffleを買ったのである。そう、今話題のあのアイポッドシャホーだ。
話題になるのも当然だろう。この小さなボディ。とても軽い。中学生の時に履いていた靴“ジャガー”も「空気」とさえ称されるほどの軽さを誇っていたけれども、シャホーはその比ではない。将来もし自分に子ができたとして、「産まれましたよ! とても元気なお子さんです! 体重はアイポッドシャホー並みです!」とか看護師に言われたら即座に一時の迷いもなく卒倒するくらい軽い。「オギャーオギャーの代わりにレッド・ツェッペリンの『移民の歌』をうたっています! まるでアイポッドシャホーのやうに」とか看護師に追撃される恐れすらある。そのような危険性を含んだ軽さだ。半端ではない。いつの間にか目の中に入っていても気づかないだろう。へそのゴマがシャホーになっていても気づかないだろう。ひとりきりもいいだろう。ふたりだけもいいだろう。アイポッドシャホーもつれていこう。好きにすればいい。そんな楽園的軽量である。
ああ、どれだけ眺めても飽きがこないデザイン。すらりと伸びた身体はラマダン中のフリスクを思わせる。とにかくスリムだ。磯野ワカメの足首を思わせる。だというのに、ひとたびキャップを取れば淫靡なイチモツが露になって僕のPCを犯すのだ。ちゅうちゅうとPC内のデータを吸っていく。棒状の彼は橙色の瞳を点灯させ、しばしの恍惚に浸る。ああ、スマートさとエロティックを兼ね備えた人類の理想とも言えるスタイル。美しいぜお前。お前俺の次に美しい存在だぜお前それ。要するにお前クリップとかアルミボディとか関係ねえけどお前それiPod shuffleiPod shuffleでも昔のモデルなんだよお前それ。B.C.時代のモデルだぜお前それ縄文人が好んでつけてたぜ今は弥生だぜそれお前。
しかし僕はそんなガストロンジャーiPodを愛している。


Apple iPod shuffle 512MB M9724J/A 型落ちっていいよね。


(注・筆者は別に気が狂っているわけではなく、世界史もきちんと履修しております)