マスターベイト・ゲット・レディ

ちんちんをあれこれするのにすら億劫な日々である。もちろん寒いからだ。北極グマが「冷房きいてるなあ。レイコーあります?」と居心地よさそうにしてしまうほどの室温を誇る僕の部屋で、人類は無力である。どんなにホットなコーヒーも瞬きをした瞬間レイコーに変化してしまう状況で、果たして君はズボンを下ろし、パンツをずらし、露出したそれを握ることができるだろうか。握った瞬間のヒヤット感に耐えられるだろうか。「ヒヤット」と声に出さず握ることができるだろうか。弱々しい僕は、想像するだけでsayヒヤットである。しかしちんちんをあれこれせずに生活するなど土台無理な話であるから、握らざるを得ない。それには勇気が必要だ。ドラゴンをクエストするほどの勇気はなくていい。「よし、握るぞ!」というだけの、そう、一握りの勇気だ。僕はこう書いて得意げになる。巧いことをsaidするのは気分がいいものだ。これからもどんどんsaidするつもりである。まあsay said saidの話は横に置いといて、ちんちんをあれこれする話題に戻ろう。一握りの勇気。それがいかに得がたいものであるか、ドラゴンをクエストしつつダーマせずとも君はおわかりだろう。しかしあれこれはしたい。感情がせめぎあう。一握りの勇気が実際のところどのくらいの量の勇気なのか、そう問われると僕は答えに窮してしまうが、まあだいたいこんくらいじゃねーの、ってこれまさにどんぶり感情ってことで(またもsaid)、四の五の考えずにとにかく握ってしまえばよいのであり、ヒヤットと叫んでしまおうが関係ない、握った君、そして僕は一つ上の男になれる。男の中でも特に男らしい、そう、一握りの男になれるのである。度々saidしてしまった。あまり巧いことsayingをしすぎると一握りの男になりすぎて後々妬まれたりはしないだろうか。心配である。一握りもいいことばかりではない。
こんなことを書きつつコーヒーをグイっと飲んでみたら、それがついさっき淹れたばかりのものなのにレイコーになっているような気がしてしまっていたのだろう、不意をつかれた僕は口内を火傷した。2006年も暮の話である。