『ELITE BEAT AGENTS』


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ニンテンドーDSのソフトである。久々に出会った神のようなゲームだ。没頭しすぎて寝食を忘れるならまだしも、呼吸をも忘れそうになるから危ない。果てには性欲を忘れてしまう。年間365回の自慰を欠かさぬ僕が、O-tintinよりもDSのタッチパネルのほうをシコシコしたくてたまらない。人間の三大欲求全てをゲーム熱へと変換してしまうソフト。恐ろしい。
そんなマスターベーションすら凌駕する熱中度を誇るゲームがどのようなものかというと、簡単だ。至極簡単だ。音楽に合わせてタッチスクリーン上のマークをタイミングよくポムポムする。これだけである。そう書くと単なる「音ゲー」に聞こえてしまうかもしれないが、ちょっと違う。今までの音ゲーが「画面を見る」→「コントローラーのどのボタンを押せばよいか判断する」→「押す」というふうに三段階の手順が必要だったのに対し、このゲームは「画面を見る」→「押す」でよい。「おっ、うーんと、オラっ!」が「オッオラ!」ですむ。そんなに変わらねーじゃねーか。いや変わる。凄く変わる。少なくとも、「コントローラーのボタンの配置とゲーム画面を意識せずにリンクしなければゲームに没頭できない」という壁が無くなっている。タイミングだけでいい。これはとても大きいのではないかと個人的には思う。ただ単に従来の音ゲーが苦手なだけという説もある。だがその説は否定する。とにかく入り込みやすいのだ。ほんの少しの操作法を覚えるだけで、すぐに楽しめる。“楽しい”に至るまでの時間がものすごく短い。そしてその“楽しい”具合が半端じゃない。素晴らしいことだ。本当にげにまっこと楽しいのである。従来の音ゲーは、「リズムを刻む」か「旋律を奏でる」かどちらかに特化したものが多いように思えるが、このゲームでは音楽の要素がごたまぜになってプレイヤーに押し寄せてくる。あるときはギターリフの部分だったり、またあるときはバスドラムだったり、ハイハットだったり、そしてもちろん歌メロ、コーラス。プレイヤーがやっているのは「タッチペンで画面に触れる」という行為でしかなく、そして実際タッチしたことで楽器の音が出るわけではないのに、音楽に合わせて画面をリズミカルにタッチしていると、まるでバンド演奏をしているかのような気持ちよさが味わえてしまう。すさまじくグルーヴィーである。楽しくないはずがない。最も音楽に近づいた音ゲーと言えるのではないか。
さてこの『ELITE BEAT AGENTS』、じつは海外で販売されている輸入盤だ。元は日本の『押忍!闘え!応援団』というゲーム。なぜジャップである僕が日本版を買わないのかというと、それは収録された楽曲によるところがかなり大きい。邦楽を貶すつもりは全くないのだけど、「近年のヒット曲」ばかりで構成された日本版と違い、『ELITE BEAT AGENTS』はロック・ミュージックとポップ・ミュージックの歴史を総括したような名曲ばかりなのだ。ストーンズ、マドンナ、アース・ウィンド・アンド・ファイアーデビッド・ボウイ、クイーン、シカゴ、アヴリル・ラヴィーン、サム41、ジャミロクワイ、ジャクソンファイブなどなど、目白押しすぎて目黒まで行ってしまいそうである。これではちょっと日本版は分が悪い。海外版なのでもちろん英語が踊るマハラジャなのだが、とっても易しい文章でストーリーが進行していくので、全く問題なく楽しめる。アホなエピソードにゲラゲラ笑えるほどだ。なので『応援団』が気になりつつも選曲に不満を持っている人は、こっちを選ぶのもいいかもしれない。「September」で踊らない奴は人間じゃない、と思ってる僕のような人、「Material Girl」にのせて繰り広げられる板尾の嫁のダンスが大好きな僕のような人、「Jumpin' Jack Flash」のリフが世界一カッコイイと思ってる僕のような人には自信をもって勧めることができる。とりあえずニンテンドーDSを持っているのなら遊ばなソンソンだ。それだけは言える。