もう幾つ寝ると妄想ロックンロール

お正月というからには正しい月でありますから、僕ら人類は正直に生きていかねばなりません。何事も包み隠さず、包皮も強引に剥いて、姿勢正しく、脱いでいくべきなのです。「溶けかかった氷の上に全裸でうつぶせになってスリンチョスリンチョしてみたい」と思ったならば、即脱ぎ、即外出、即うつぶせ、即スリンチョスリンチョ、そして即射精しなければいけない。「あッ、我慢しなきゃ」などと無理をしてはいけません。我勃起、即射精。即座に。即ち射精。そうでなければ、正しい月であるお正月に申し訳が立ちませんし、ええ、ティムポも、立ちません。いや、何を「ティムポ」などと可愛らしい隠語を使って誤魔化しているのだ。「ティムポ」ではなく、正確に言えば「おティムポ」ですね。若者よ、正直たれ!
人格を疑われかねない流れを断ち切るために、ここで今年届いた年賀状の枚数を書き記しておきましょう。いかに僕が現実世界において人望と陰毛を獲得しているか、ということがわかっていただけると思います。さすれば僕の人格を疑う輩など、まかり間違っても発生するはずがあるまい。そもそも、「人望」と「陰毛」を洒落ているというのに、「人格」を「陰」関連の語句で洒落ないあたりに、僕の人格のまっとうさが現れてると思いませんか? というより、滲み出ている。むしろ、染み出している。かなり、まろび出ている。とにかく出ている。何、さっさと年賀状の枚数を公表しろ、と? 焦ることはありません。そんなのはいずれはっきりするのです。それよりも大事なのは僕の年賀状受け取り枚数がゼロだとしても、「プギャー」とか指差して笑わずに、暖かく笑って流してくれるような広い心なのです。や、別にゼロってわけじゃないですよ。笑わせないでください。ゼロだなんてそんな、往年の打ち切りジャンプ漫画じゃないんだから([C]飛鷹ゆうき)、冗談にもなりませんよそんな。僕の話はいいんです、今は読者様がた、つまりあなたの心の話をしているのですよ。恵まれないものには助けの手を差し伸べよ、とどっかのヒゲ面のオジサマも言ってます。「年賀状、届いてねっかなー。ああ? エロビデオ通信販売のチラシだけかぁ……」と郵便箱を覗き込みつつ新年早々肩を落としている者を見かけたならば、お慈悲の心で、にこやかに肩に手を置いてあげるべきなのです。あ? だから俺の話じゃねーって言ってんだろ! 行間読めよ! お前らの話してんだっつーの! 俺は母ちゃんの奴隷じゃねえっつーの! 年賀状は母ちゃんからの一通だけだったっつーの! 「平成16年元旦」って盛大に間違えてたっつーの! 母ちゃん、新聞の日付け欄くらい見ろっつーの! これから年賀ハガキ買いに行ってくるっつーの!