奥様は魔女

母の手料理を味わいに実家に行ってきたんですが、玄関を開けた僕を迎えたのは寝巻き姿の母で、しかもドタドタと廊下を駆ける様子は気持ち焦り気味で、「今『わかば』見てるのになんでこんなときに帰ってくるのよ!」と気持ちマジ切れ気味で、「ああそうだ、あんたちょうどいいわ、燃えるゴミ出してきて」と気持ちパシり気味で、「えっ?」と僕は気持ち困惑気味で、「キーこの男ムカツクわ!」とドラマに戻った母は気持ち僕を無視気味で、「ゴミ出してもいいんだけど、肝心のゴミはどこにあるの?」と僕はやっぱり戸惑い気味で、「キーこいつブッサイクのくせに美人ぶりやがってムカツクわ!」と母は気持ち別世界の住人で、ゴミを出そうにもゴミ袋がないので気持ち僕は棒立ち気味で、「ふぅーこれだから結婚はするなって言うのよ」とドラマ鑑賞を終えた母は気持ち興奮気味で、「あんた! ゴミ出してって言ったのになんでそんなとこ突っ立ってるのよ!」といきなりマジギレ風味で、「いや、だって、ゴミ袋にまとめてすらいないじゃない」「あんたがやりなさいよ!」不条理で、「あー、わかったよ。じゃあゴミは俺がやるからメシの用意よろしくね」「メシ? ないわよ。アタシお昼は食べないの。ダイエット中だから」やっぱり不条理で、「え、さっき電話でお願いしたじゃない」「あ、そう? じゃあコンビニでなんか買ってくれば?」とことん不条理で、「じゃあお金ちょうだいよ」「寝ぼけないでよ」


結局今日もインスタントラーメンでした。