スピッツ『フェイクファー』

mikadiri2003-12-16

ジャケットに写る女の人に、僕の童貞を奪って欲しい。


いや、そんなことが言いたいのではない。ひさしぶりに押入れの中から引っ張り出して聴いたスピッツ、相当良いですね、ってことなんです。僕が持っている唯一のスピッツ作品『フェイクファー』。中学か高校の頃でしょうか。誕生日プレゼントとして貰ったんですが、当時は「いい曲だね」という感想だけで終わっていたような気がします。それから長い月日が流れ、いろいろな音楽に触れてから改めて聴いてみると、新鮮な驚きがいっぱい。彼らにロックの素養があるのは「ロックインジャパンフェスティバル」というフェスでライブを見たときに感じていていましたが(「メモリーズ」がカッコよかった)、ここまでバンドサウンドが強靭だとは。メロディーしか聴いていなかった若かりし日の僕をタコ殴りにしたい気分です。
とにかくギターの音が良い。「エトランゼ」という曲でふんわり始まったかと思えば、「センチメンタル」のギターリフ。思いっきりロックバンドじゃないですか。ベースもかなりブンブンいっちゃってますし。それでいて草野マサムネのポップ・センスも爆発。ポップスとしても、ロックとしても、非の打ち所が無いですねえ。
そして「冷たい頬」「運命の人」と名曲二連発。これってシングル曲でしたっけ? いや、シングルじゃなかったらおかしい。それくらい名曲。アルバム前半の流れは最高に決まってますね。「バスの揺れ方で人生の意味が解かった日曜日」という歌詞。何かしら意味がありそうで、何にも意味がなさそうで、この言語感覚の不思議さが草野マサムネ最大の魅力のような気がします。
僕としてはかなりの名盤なんですが、スピッツファンとしてはどうなんでしょうか。やっぱり『名前をつけてやる』とか『ハチミツ』とかが人気あるんでしょうかね。なんか他の作品も聴きたくなってきた。『インディゴ地平線』は聴いたことあるんですけども。「ハナドロボーハナドロボー」しか覚えてねえ(笑)。


あ、スピッツファンの方に豆知識。草野マサムネさんは、ピロウズの『LITTLE BUSTERS』というアルバムが発売されたとき、フライヤーで絶賛してくれてました。以下引用。

やっぱりピロウズっていいバンド名だよな。俺らが先につけときゃ良かったと今でも思う。
さて今回のアルバムは、シングル「ハイブリットレインボウ」を聴いた時からなんかスゲーの来そうな予感してたけど、音も詞もスゲーROCK!!メンバーに会うとフツーの人なのに何で?

ちゃんとオチをつけてあるあたりがさすがだ。うん、スピッツファンの人はピロウズを聴けばいいと思う(結局ピロウズ賛美)。