LED ZEPPELIN

mikadiri2004-02-10

用事があって寝てはいけないときにも眠気というのは容赦なく人を襲ってくるわけで、そんなとき脳味噌は「眠れ眠れ」と優しく子守唄を歌いながら強引に瞼を引き摺り下ろそうとしますね。そこで真面目君の僕とだらけ野郎の僕が登場、「いや、外せない用事なんだ」「寝ちまえよ、気持ちいいぜ」「駄目だ、寝るわけにはいかない」「あったかいフトンで、ぐっすり寝る。そんな素晴らしいことが他にあるか?」と脳内での激しい綱引きが行われるわけです。もうトローンしちゃったりして、でもすぐシャキっとしたりして、とても不安定な状態。
レッド・ツェッペリンの「幻惑されて」(原題『Dazed And Confused』)という楽曲を聴くと、そんな状態のことが思い起こされます。暗闇の中をさ迷っていたかと思えば、急に足場がなくなって不安定になり、続けざまに様々な色のフラッシュがたかれて目がチカチカし、何が起こったのかわかんないまま何故か背後から物凄い力で押され走り出し、「ワーーーオ」と叫びながらもだんだん気持ちよくなってきて、いくらでも走り続けてやるぜ、なんて思った途端にまた暗闇。とんでもない曲です。向井秀徳の言葉を借りれば、まさに「YURETA YURETA YURETA」ですよ。
こんな曲をファーストアルバムでいきなり発表してしまうあたり、やはりレッド・ツェッペリンというバンドはとんでもない変態集団だったのですなあ。ライブ映像を見るとよくわかるんですが、ジミー・ペイジはギターを弾くときの顔がまず変態だし、ロバート・プラントはどっから声を出してんですかと真面目に問いたくなるような変態金切り声の持ち主だし、ボンゾはいうまでもなく変態だし(人間かどうかも怪しい)、ジョン・ポール・ジョーンズはたぶんムッツリスケベで、やはり変態集団。
ツェッペリンに限らず60年代のバンドというのは「古臭い」とか「音が悪い」とかしょーもない理由で避けられがちですが、もったいないとしか言いようがないですね。100万円くらいの古い札束を前にして「古いし汚いからいらない」なんて言ってるのと同じですよ。例えが悪いですけど。とりあえず聴け、ってことです。いいものがそこにあるのだから、手を出さなきゃ損ですよ、ほんと。