想い出が失敗

プロ野球プレーオフを流しつつユニットバスの掃除などをする。今日も好ゲーム。問題点は山積みだけれどやはりプレーオフは盛り上がってしまう。さてユニットバス。髪の毛が山積みなのでやはり水は詰まってしまう。コマメに掃除をしなければ、とわかってはいるのに、大豆が好物の僕にとっては「コマメ」など唾吐きにすら値せぬ代物。ペッペッ。一応書いておきますが、うまいこと言ったつもりです。とにかく掃除をせねばなるまい。まずは髪の毛を取り除き、簡単に浴槽をこする。手が滑って洗剤だらけの浴槽に手をついてしまう。ぴぎゃあ。と叫ぶ。なんか足りないと思ってたらゴム手袋をはめるのを忘れていた。ゴム手袋はどこだったろう。取りに行く途中足の小指をユニットバス出口のカドに強打ぴぎゃあ。うずくまる途中ユニットバスドアのノブに前頭葉強打ぴぎゃあ。ぷるぷると震える。テレビ画面では西武・西口が僕を冷ややかに見ている。そんな目で見ないで、と呟いてみる。西口はそんな僕に背を向けてパナマウンガの人にボールを投げる。僕の小指と前頭葉の痛みなど彼にとってはどうでもいいことなのだ。ジャージャー水の音が聞こえると思ったら蛇口が開きっぱなしでありシャワーからH2Oがひとかどの勢いで大人の階段をひたすらに昇っている。パイプが詰まっているので水が溢れてくる。イカン止めなければ、そう思ったときになんとなく予感を抱く。そして僕は予感の命じるままに足をつまづかせる。背中に少しだけ困惑した西口の視線を感じつつ、H2Oの海へと落ちていった僕はまだシンデレラなので誰か早く幸せを運んできてください。