轟轟戦隊ボウケンジャー

「ズバーン」のオモチャのCM、何度見ても笑ってしまう。遊び心が炸裂しすぎである。オモチャにではなく、ズバーンそれ自体に笑ってしまう。てなもんだから今回はずっとニコニコしていた。ていうか、ズバーンとは。目のつけどころがシャープすぎる。剣がロボットになって巨大化して崩拳かましたりする、というコンセプトを見るだけでスタッフが子供心を装備しすぎということが窺い知れるけれど、『ダイの大冒険』に出てくるキングの人(20代中盤の人だけわかってくれればよい)みたいなデザイン。なんかまっさきに殺されそうな、役立たず感がたまらない。実際、「登場当時はメチャ強い」期を過ぎてしまったからには、今後は「とりあえずボウケンジャーより先にぶっ飛ばされ、あとは剣状態オンリー」期に入るだろう。ていうか、ズバーンとは。まずはその名前である。その先述の『ダイの大冒険』にズバーンという日本語を組み込んでみれば、いかにその語感が異様であるか、わかっていただけるだろう。


「余が大魔王ズバーンだ……」


ヒャダインで即死しそうである。ベギラマでもたまに死ぬことがありそうだ。大王ガマ的な趣である。なにが「余」か。なんとまあ、ズバーンの魔力。今回ちょっとラリって敵側についてしまったズバーンだが、「やめろー」とかなんとか言われて羽交い絞めにされたとき、彼の口から漏れたのは「ズバっ」といううめき声であった。言語学の教授が卒倒してしまいそうな言語体系である。羽交い絞めでズバって。ベリー切れてない。ベリー切れてないのにズバ。彼はくすぐられてもズバズバ切る。耳元に吐息をフッとやられてもズバズバ。触れるモノすべてを斬ってしまう。そのうち誰も寄り付かなくなり、彼は孤独のまま一生を終えるのである。唯一彼のことを理解してくれていた教会の牧師さんが辞世の句を聞いてあげようとしたが、もちろんズバーンは辞世をもズバズバ斬ってしまったので、牧師さんは困ってしまった。罪なズバーンである。そういえば、何年か前に横浜にズーバーという外人がいたが、彼は結構切れ味鋭かったような気がする。そして結局感想を書いてない。ボウケンジャー、面白いですよ。