冬目景『イエスタデイをうたって』 第四巻(ISBN:4088766466)


“わたしは今 教師として試されてる気がするの”


イエスタデイをうたって vol.4 (4)


いやあ、良いものでした。これまでどおりダラーと日常を描いていくのかと思いきや、結構物語が動いてましたね。停滞気味の空気にテコ入れするために新キャラを使うのは冬目先生の悪い癖ですが、「思い出に帰る人達」に登場した柚原チカというキャラクターは、魚住・シナコ先生・野中さんの三角関係に刺激を与えるために必要でしょうし(ラブコメとしてベッタベタの展開でしたけども)、こういうのはいいと思います。『羊のうた』では新キャラテコ入れで盛大に失敗していたこともあり、ビジネスジャンプ誌上で見慣れないキャラをチラリと見たときは「またやっちゃったよこの人!」とか思ったもんです(僕はコミックス派ですが、たまに誘惑に抗えずビジネスジャンプを読んでしまうことがあるのです)。しっかし、成績優秀・品行方正の文系少女が男をとっかえひっかえとは、これまたさりげなく燃えますね。ハハハ、んなヤツいねえよ!(いきなりキレる)
ちなみに僕は湊くんが大好きです。この巻で一番カッコよかったのは間違いなく湊くんだし、個人的なことですが彼はどこか僕と似ているような気がするんですよ。「なんか変なんだよなあこいつら」みたいな感じで世の中に対しソフトにいらついてたり、よく他人に誤解されちゃったり、ヒゲだったり、何より男付きの女に惚れちゃったりね、ハハハハハハハハハ(思い出したくないことを思い出した人の図)。まあとにかく面白かったですよ、イエスタ四巻。「三巻までは買ったけど、待ちくたびれちゃったし、もういいよ」って感じの人も買うべきだと思います。ちなみに冒頭で引用した台詞には深い意味はありません。なんとなく好きな台詞ってだけ。