ケミカルバンプショウ! vol.2 @下北沢CLUB QUE

ザ・ピロウズ結成15周年記念イベントであり、QUE恒例の「夏の陣・vsシリーズ」の一環でもあるライブに行ってきました。今回の対バンは山中さわおを信仰していると過言ではないほどピロウズファンであるセンチメンタル・デブ松本素生率いるGOING UNDER GROUND。どんなライブになるのかワクワクしながら、最果ての地埼玉から、電車を乗り継いで、さあ着いたぞ下北、さてライブまで何をしよう、電車賃だけでもなかなか懐にアリ・キックであるというのに、遊ぶ金なんて残ってないぞ、残ってないぞ、残ってないぞ(CDを三枚レジに持っていきながら)。支払い後に「あ、そういえばドリンク代と帰りの電車賃は!」と財布を覗き込み狼狽している姿をディスクユニオン下北沢店で見かけたのなら、それが僕です。だってbellyとかthrowing musesとかが安値で叩き売られてたら放っておけないでしょう?(コンビニでお金下ろしました)


さて前置きはこの辺にして。入店してすぐに真ん中・後ろ・壁際(定位置)へ移動し、人が多すぎて煙草を吸うのすら憚られる中、なんとかウィスキーで気を鎮めながら(QUEはドリンクチケットでいろいろ飲めるから好きだ)、待つことしばし、まずはGOING UNDER GROUND。何回か彼らのライブは見ていますが、正直そんなにグッとくるものなく、腕組みながら「ほほう」みたいな感じで構えてたんですが、なんと一曲目はピロウズのカバー「LITTLE BUSTERS」! 観客から奇声があがる。そりゃそうだ。このカバー、実によかったです。単にコピーするだけでなく、コード進行やメロディーなどをGOING調にしてあり、切なさがアップしてました。さすが。ともすれば単調になりがちな繰り返しが多い原曲ですが、それを潔くカットしてましたね。これがかなり巧くいってました。トリビュート盤への期待が高まります。続いては名曲「グラフティ」。この流れは良かったですねえ。正直、頭二曲が良すぎてその後がちょっと尻すぼみしてた観があるほど。「ハートビート」はやっぱり盛り上がってました。あえて苦言を呈するならば、前に観たときも思ったことですが、ドラムの人が頼りない。ぶっちゃけていうと下手くそ? バスドラムをもうちょっと踏んでくださいよ、と言いたくなった。意図的にそうやっているのであれば、少し疑問符を投げかけたくなりますね。でもおそらく意図的じゃないです。フィル・インも相当ハラハラものでしたし(手首使いましょうよ、みたいな)。彼がスキルアップして、キーボードの人の痛さが改善されれば、万人に愛されるバンドになるでしょう。


そして続いてはもちろんピロウズ。サロン・ミュージックのSEをバックにメンバーが登場するなり観客大興奮、僕ニタニタピロウズファンとして末期の症状だと思うんですが、山中さわおを見るとニタニタしてしまいます。そして開口一番「アゥイエ!」。笑わずにいられるか。
で、肝心のライブ本編ですが、正直、濡れそうになりました。演奏内容が、とか、音響が、とか、さわおの前髪長すぎ、とか、そんな細かいことはどうでもよくて、とにかくセット・リストが豪華でした。まあとにかく見てもらえればわかる。いつもはセットなんてあんまり覚えてないんですが、今日は豪華すぎて逆に覚えましたよ。まあ豪華とはいっても極々個人的に、ですが。まあ見てください。

  1. I think I can
  2. Ride on shooting star
  3. その未来は今(新曲)
  4. Funny Bunny
  5. バビロン 天使の詩
  6. LIBERTY
  7. I know you
  8. Thank you,my twilight
  9. Ritalin 202
  10. Waiting at the busstop

E.C.

  1. WANT TO SLEEP FOR
  2. TERMINAL HEAVEN'S ROCK


ファニバニですよ! リバティですよ!! サンキューですよ!!! まさにワーオですよ、サワーオですよ(意味不明)。ファニーバニーは一回か二回くらいしかライブで聴いたことがなかった曲で、もう聴けないかなあなんて半ば諦め気味だったんですけど、まさかここでやるとは! あのイントロのドラムが鳴り始め、さわおが「I love you,funny bunny.」と言い放った瞬間、鳥肌が立ちました。もう欲しがりません勝つまではと叫びだしそうなほど鳥肌。ニイタカヤマノボレ的に鳥肌。この曲、ピロウズの中で1,2を争うほど好きなんですよ。そういう意味で「個人的に豪華」と言ったんですけど、ここで小便漏らしかけたピロウズファンは多かったのではないでしょうか。この曲のドラム大好きだ。
さわおがネタ混じりのMCをかましている間に、ドラムのシンイチロウ氏がヘッドホンを装着してて、僕は「はて、ピロウズにヘッドフォンで同期させることが必要な曲なんてあったっけ?」とか思ってたんですが、ここで「リバティ」ですよ。そう、ちゃんとホーンの音も入ったバージョン。濡れる。
その後もまだシンイチロウ氏がヘッドホンをつけっぱなしにしてて、「はて、リバティーをやってしまったとなるとヘドフォンが必要なのはサンキューマイトワイライトしかないが」と訝しがっていたところ、さわおが15周年的なMCを始めてて(若いバンドがたくさん出てきたら僕らはどこに行けばいいんですか! みたいな内容)、案の定「サンキュー・マイ・トワイライト」でした。アルバムツアー以外ではあまりやらないと思っていたので意外。ライブだとギターとベースがとんでもない轟音になっててカッコイイんですよね。「ライフイズビュリホーーーーー」で苦笑してしまうんですけども(笑)。
セット・リストを見ていただければわかるとおり、他にも代表曲に継ぐ代表曲の連続で、10曲足らずだというのに相当お腹一杯でした。新曲「その未来は今」、僕は初めて聴きましたが、普通にカッコイイ。疾走系のギターロック。ダイナソー.Jrが若返って栄養ドリンク飲んだような感じ。早くリリースしろ。アンコールで演奏された「WANT TO SLEEP FOR」に入る前に「ターミナル・ヘブンズ・ロック」のイントロをかましてましたね。ピッタリ合ってました。でその後、もう一回そのイントロをやったのはちょっと間抜けでしたね(笑)。しかしターミナルのイントロはライブで聴くと半端じゃなくカッコイイな。スタジオ版はあまり好きじゃないんですけどね、ライブだと五割増してカッコよく聴こえる。



長くなりましたが(いつも)、まあ一言でいうなら「最高」でしたね。さわおが「Thank you,my twilight」の途中でコードをミスりまくっているのも、もう見慣れたというか、それすらも「最高」の一因に。前々からチューニングが苦手なさわおが、ついに「チューニングしたかどうか覚えてない」という境地にまで達し、僕は爆笑し、当然それも「最高」の一因。恐るべきファン心理。まあとにかく、久しぶりのピロウズは、とても良いものでしたよ。8月のイベント、9月の15周年記念ライブも楽しみです。